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  • 平成20年度|
  • 第3章 個別の検査結果|
  • 第1節 省庁別の検査結果|
  • 第10 農林水産省|
  • 不当事項|
  • 補助金

荷さばき施設が遊休化していて、補助の目的を達していないもの


荷さばき施設が遊休化していて、補助の目的を達していないもの

(1件 不当と認める国庫補助金 42,355,398円)

  部局等 補助事業者等 間接補助事業者等 補助事業等 年度 事業費 左に対する国庫補助金等交付額 不当と認める事業費 不当と認める国庫補助金等相当額
            千円 千円 千円 千円
(399) 水産庁 高知県 安芸郡東洋町
(事業主体)
水産業地域改善対策 2 133,160 88,773 63,533 42,355

 この補助事業は、東洋町が、水揚げされる魚介類を数日間蓄養(注) して活魚として販売することにより利益を上げて漁業者の所得の向上を図るために、水槽6基等からなる荷さばき施設(建物延べ床面積304.4m )を設置したものである。
 同町は、事業計画において、年間58.6tのマダイ、ヒラメ、イセエビ等の魚介類を通年蓄養して出荷することとしており、また、同施設の管理運営については同町所在の野根漁業協同組合に委託していた。
 しかし、現地の状況を確認したところ、同施設は、同組合の漁具が保管されるなどしていて荷さばき施設としては全く利用されていなかった。そして、過去の利用状況について、同施設の稼働に不可欠な取水ポンプ、冷却機等に使用する高圧電力の電気使用量を電力会社の資料により確認したところ、平成9年4月以降における継続的な使用実績はなかったことから、同施設は、遅くとも9年4月以降は荷さばき施設として事業計画に沿って利用されていなかったと認められる。
 したがって、補助事業により設置した本件施設(9年3月末残存価額63,533,098円)は補助の目的を達しておらず、これに係る国庫補助金相当額42,355,398円が不当と認められる。
 このような事態が生じていたのは、同町において、同施設を補助の目的に沿って適切に利用し管理運営しなければならないことについての認識が十分でなかったこと、高知県において、同町に対する指導が十分でなかったことなどによると認められる。

 蓄養  価格調整等を目的として、漁獲物を生きた状態で一時的に収容すること