部局等 | 補助事業者等 | 間接補助事業者等 | 補助事業等 | 年度 | 事業費 | 左に対する国庫補助金等交付額 | 不当と認める事業費 | 不当と認める国庫補助金等相当額 | |
千円 | 千円 | 千円 | 千円 | ||||||
(403) | 東海農政局 | 岐阜県 | 揖斐郡揖斐川町(事業主体) | バイオマス変換施設整備 | 19 | 29,813 | 14,393 | 3,208 | 1,604 |
この交付金事業は、揖斐川町が、揖斐地区において、バイオマス変換施設への進入路を整備するために、擁壁工、排水工等を実施したものである。
このうち擁壁工は、進入路における切土法面の安定を図るために、ブロック積擁壁(高さ1.8m〜5.0m、延長計132.1m)を築造するものである。
そして、本件擁壁については、その高さなどにより1号擁壁から3号擁壁に区分し、それぞれについていずれも擁壁背後の地面が水平であるとして、擁壁に作用する土圧を算定して、この土圧により擁壁の転倒及び基礎地盤の支持力に対する安定計算を行い、安全であるとしてこれにより施工していた。
しかし、1号擁壁の実際の擁壁背後の地形の一部は、擁壁から約1mの部分についてはほぼ水平でこうあるものの、それより先の部分については上方に勾(こう)配のある傾斜地となっていた(参考図参照)
。そして、このような場合には、擁壁に作用する土圧が擁壁背後の地面が水平である場合より増加する可能性がある。
そこで、実際の地形形状に基づき擁壁に作用する土圧を算定すると、1号擁壁の一部区間(高さ4.8m〜5.0m、延長22.8m)については、土圧が増加することにより擁壁の重量及び土圧の合力の作用位置と擁壁の天端中央との水平距離が最大で2.93mとなり、転倒に対して安全とされる範囲の上限値である2.58mを上回っていて、安定計算上安全とされる範囲に収まっていなかった(参考図参照)
。
したがって、本件擁壁等のうち上記の1号擁壁の一部区間(工事費相当額3,208,412円)は、設計が適切でなかったため、所要の安全度が確保されていない状態になっており、これに係る交付金相当額1,604,206円が不当と認められる。
このような事態が生じていたのは、同町において、委託した設計業務の成果品に誤りがあったのにこれに対する検査が十分でなかったこと、岐阜県において、同町に対する指導及び監督が十分でな かったことなどによると認められる。
(参考図)