ページトップ
  • 平成20年度|
  • 第3章 個別の検査結果|
  • 第1節 省庁別の検査結果|
  • 第10 農林水産省|
  • 平成19年度決算検査報告掲記の意見を表示し又は処置を要求した事項の結果

農業集落排水事業の計画及び実施について


(3) 農業集落排水事業の計画及び実施について

1 本院が要求した改善の処置

 農林水産省は、農業集落におけるし尿、生活雑排水等の汚水を処理する施設を整備する農業集落排水事業を実施する市町村等に対して、国庫補助金等を交付して事業の推進を図っている。市町村等が事業計画策定の際に行う合併処理浄化槽との経済比較についてみたところ、年経費の算出に用いる耐用年数として、地域の実情等特段の事情がないにもかかわらず法令等に基づく年数を用いているなどのため、農業集落排水施設に比べて合併処理浄化槽の経済性がその使用実態にかかわらず低く評価されるものとなっている事態が見受けられた。
 したがって、農林水産省において、都道府県に対して、耐用年数として使用実績による年数を用いるなどして年経費の算出を行うことについて、事業主体に周知徹底を図ることなどについて助言するとともに、経済比較が適切に行われているかなどの点について十分に審査を行うなどの処置を講ずるよう、農林水産大臣に対して平成20年10月に、会計検査院法第36条の規定により改善の処置を要求した。

2 当局が講じた処置

 本院は、農林水産本省において、その後の処置状況について会計実地検査を行った。
 検査の結果、農林水産省は、本院指摘の趣旨に沿い、20年9月に発出した事務連絡に基づき、都道府県に対して、事業計画策定時における経済比較に当たっては、年経費の算出に用いる耐用年数は使用実績による年数とすることなどを十分に認識した上で年経費の算出を行うよう、事業主体に周知徹底を図るとともに、その実施に当たり指導等を十分に行うよう助言し、また、事業採択時においては、事業主体が行っている経済比較の実態を十分に把握して、経済比較が適切に行われているかなどの点について十分に審査を行うなどの処置を講じていた。