会計名及び科目 | (1)
一般会計
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(組織)資源エネルギー庁 | ||||||||||
(項)資源エネルギー庁 | ||||||||||||
(項)エネルギー対策費 | ||||||||||||
(項)地下資源対策費 | ||||||||||||
石油及びエネルギー需給構造高度化対策特別会計(石油及びエネルギー需給構造高度化勘定)
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(項)事務処理費 | ||||||||||||
平成19年度以降は、エネルギー対策特別会計(エネルギー需給勘定)
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(項)事務取扱費 | ||||||||||||
(石炭勘定)
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(項)事務処理費 | |||||||||||
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平成19年度以降は、エネルギー対策特別会計(電源開発促進勘定)
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(項)事務取扱費 | ||||||||||||
(2)
一般会計
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(組織)経済産業局 | |||||||||||
(項)経済産業局 | ||||||||||||
(組織)原子力安全・保安院 | ||||||||||||
(項)電気等保安対策費 | ||||||||||||
(項)産業保安監督官署 | ||||||||||||
部局等 |
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不適正な会計経理により支払った経費の概要 | 物品の購入に係る庁費等 | |||||||||||
不適正な会計経理により支払うなどした金額 |
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資源エネルギー庁及び関東経済産業局(以下「2部局」という。)は、一般会計、エネルギー対策特別会計(平成19年3月31日以前は、石油及びエネルギー需給構造高度化対策特別会計並びに電源開発促進対策特別会計)等において、毎年度多額の予算を執行している。このうち、業務で使用する物品の購入等に係る経費については、庁費等の予算科目から支払っている。2部局における物品の購入等に係る契約、支払等の会計事務手続は、会計法(昭和22年法律第35号)、予算決算及び会計令(昭和22年勅令第165号)等の会計法令等に基づき、おおむね次のとおり行われることとなっている。
〔1〕 物品管理官(資源エネルギー庁長官、関東経済産業局長(注1) )は所要の物品の品目、規格、数量等を明らかにした上で、支出負担行為担当官(資源エネルギー庁長官官房総合政策課長、関東経済産業局総務企画部長(注2) )に物品取得請求を行い、支出負担行為担当官は随意契約による場合は見積合わせを行うなどした上で、支出負担行為決議を行って契約を締結する。
〔2〕 支出負担行為担当官は、物品の購入等に係る契約が適正に履行されたかを確認するために、自ら又は補助者として任命した検査職員に命じて、納入された物品の品目、規格、数量、納品時期等について、契約書、仕様書等に基づき、必要な検査(以下「検収」という。)を行う。
〔3〕 官署支出官(資源エネルギー庁長官、関東経済産業局長(注1) )は、業者から代金の支払請求を受けたときは、上記の検収が適正に行われたことを確認した上で、請求書等に基づいて支出決定決議を行い、業者に代金を支払う手続を行う。
そして、上記の会計事務手続において、物品管理官、支出負担行為担当官及び官署支出官は、それぞれの事務の一部を、資源エネルギー庁長官官房総合政策課会計室又は関東経済産業局総務企画部会計課所属の職員を補助者に任命するなどして行わせている。
本院は、合規性等の観点から、支払等の会計事務手続が会計法令等に基づき適正に行われているかなどに着眼して、2部局が15年度から20年度までの間に9業者と締結した物品の購入等契約を対象として、2部局及び9業者において、支出決定決議書、請求書等、9業者が保管していた帳簿等の書類により会計実地検査を行った。
検査したところ、契約した物品が納入されていないのに納入されたとする虚偽の内容の関係書類を作成するなど不適正な会計経理を行って庁費等を支払うなどしていたものが、次表のとおり、資源エネルギー庁で15年度から18年度までの間に79件70,697,089円、関東経済産業局で18、19両年度に49件、20,800,611円、計128件、91,497,700円あった。
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(455) |
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これを態様別に示すと、次のとおりである。
ア 預け金
業者に架空取引を指示するなどして、契約した物品が納入されていないのに納入されたとする虚偽の内容の関係書類を作成するなどして庁費等を支払うなどし、当該支払金を業者に預け金として保有させて、後日、これを利用して正規の手続によることなく物品を納入させるなどしていたもの
124件 | 90,787,410円 | |
資源エネルギー庁 | 79件 | 70,697,089円 |
関東経済産業局 | 45件 | 20,090,321円 |
上記の事態について事例を示すと、次のとおりである。
資源エネルギー庁は、平成17年度にA業者からプリンターの消耗品であるトナーカートリッジ300個を17年4月22日から18年3 月24 日までの間に計12回の納品を受けたとしてこの代金11,970,000円を18年4月24日に支払っていた。
しかし、支出負担行為担当官の補助者として任命を受けた物品管理担当者(以下「物品担当者」という。)は、物品が納入されていないにもかかわらず、上記のとおり納入されたこととしてA業者に虚偽の納品書及び請求書を提出させていた。また、支出負担行為担当官から補助者として任命を受けた検査職員は、当該トナーカートリッジ300個の納入に係る現物確認等を行わないまま、検収を行ったこととしていた。そして、官署支出官の事務を補助する物品担当者は上記の納品書及び請求書を添付して支出決定決議書を起案して、この支出決定決議に基づき、物品が納入されていないにもかかわらず、上記のとおり17年度の出納整理期間中の18年4月24日に当該トナーカートリッジ300個分の代としてA業者に庁費11,970,000円を支払っていたものである。
そして、A業者の帳簿等によると、物品担当者は、庁費を支払った金額を業者に預け金として保有させて、後日、これを利用して正規の手続によることなくトナーカートリッジ300個を18年5月10日から19年4月10日までの間に12回に分けて納入させていた。
このような不適正な会計経理は2部局の物品担当者の説明によると年度末の庁費等の執行残額を勘案して行ったものであるとしている。
なお、預け金は、資源エネルギー庁では業者の帳簿等によれば20年4月までに解消されており、関東経済産業局では物品担当者の記録していたメモによれば21年8月の会計実地検査時点で214,993円となっていた。
イ 納品数量の水増し
業者が納品数量を水増しして代金を請求することを物品担当者が了解して、これに基づいて庁費等を支払っていたもの
関東経済産業局が、19年度にB業者に対して行った庁費等の支払のうち4件11,32,000円は、コピー用紙を単価契約により購入し20年3月に納品されたものに対して支払ったものであった。この4件の支払に当たり、物品担当者は、B業者から20年1月ごろの古紙配合比率の偽装問題により、古紙配合率100%のコピー用紙の確保が困難であり価格も高騰している旨の相談を受けた際に、B業者に対して、支払額の増加もやむを得ないのでコピー用紙を確保するよう要請した。しかし、契約単価を増額するなどの正規の契約手続を行うことなく、B業者が3月分の納品数量を水増しした請求書を提出することを了解して、この請求書に基づき支払っていた。
上記のア及びイの事態は、虚偽の内容の納品書等を業者に提出させて所定の検収を行わないまま契約した物品が納入されていないのに、納入されたとする虚偽の関係書類を作成することなどにより庁費等を支払うなどしていたものであり、これらに係る庁費等の額計91,497,700円が不当と認められる。
このような事態が生じていたのは、2部局において、物品の購入に係る会計経理に当たり、職員に会計法令等を遵守することの認識が著しく欠如していたことなどによると認められる。