ページトップ
  • 平成20年度|
  • 第3章 個別の検査結果|
  • 第1節 省庁別の検査結果|
  • 第11 経済産業省|
  • 不当事項|
  • 補助金|
  • 補助事業の実施及び経理が不当と認められるもの

補助金を過大に受給しているもの補助事業の実施に当たり、仕入税額控除した消費税額に係る補助金を返還していないもの


(1) 補助金を過大に受給しているもの   4件 不当と認める国庫補助金 23,337,943円

 補助事業の実施に当たり、仕入税額控除した消費税額に係る補助金を返還していないもの

(4件 不当と認める国庫補助金 23,337,943円)

  部局等又は県名 事業主体
(所在地)
補助事業等 年度 事業費
(補助対象事業費等)
左に対する国庫補助金等交付額 不当と認める補助対象事業費等 不当と認める国庫補助金等相当額
          千円 千円 千円 千円
(459) 近畿経済産業局 株式会社さかい新事業創造センター
(堺市)
広域的新事業支援ネットワーク拠点重点強化 17〜19 31,712
(31,712)
31,637 1,460 1,460
(460) 株式会社ぶらくり
(和歌山県和歌山市)
大型空き店舗活用支援 16〜18 124,367
(119,400)
56,595 5,588 2,646
(461) 川西都市開発株式会社
(兵庫県川西市)
戦略的中心市街地商業等活性化支援 17、18 1,191,065
(897,165)
324,550 42,722 15,454
(462) 新長田1番街商店街振興組合
(神戸市)
戦略的中心市街地中小商業等活性化支援 18 119,994
(118,944)
79,296 5,664 3,776
(459)—(462)の計   1,467,138
(1,167,221)
492,078 55,435 23,337

 これらの補助事業は、中心市街地における地域の振興及び秩序ある整備を図ることなどを目的として、事業主体が2か年度にわたり駐車場の整備を実施するものなどであり、いずれも補助対象事業費には補助事業で取得した施設等に係る消費税額が含まれている。
 消費税は、事業者が課税対象となる取引を行った場合に納税義務を生ずるが、生産、流通の各段階で重ねて課税されないように、確定申告において、課税売上高に対する消費税額から課税仕入れに係る消費税額を控除(以下、この控除を「仕入税額控除」という。)する仕組みが採られている。
 そして、補助事業の事業主体が補助対象の施設等を取得することなども課税仕入れに該当して、上記の仕組みにより確定申告の際に補助事業で取得した施設等に係る消費税額を仕入税額控除した場合には、事業主体は当該施設等に係る消費税額を実質的に負担していないことになる。
 このため、補助事業の事業主体は、補助金の交付要綱により、補助事業完了後に消費税の確定申告により仕入税額控除した消費税額に係る補助金の額が確定したときには、その金額を速やかに所轄の経済産業局長に報告するとともに、当該金額を返還しなければならないこととされている。
 しかし、4事業主体は平成16年度から19年度までの各年度の消費税の確定申告を行い、本件補助事業に係る消費税額計55,435,578円を仕入税額控除し、消費税の還付を受けるなどしていたのに、これに係る補助金相当額計23,337,943円を報告、返還しておらず、不当と認められる。
 このような事態が生じていたのは、4事業主体において補助事業における消費税の取扱いについての理解が十分でなかったこと、近畿経済産業局において補助事業における消費税の取扱いについての指導、実績報告書等に係る審査及び確認が十分でなかったこと、特に本件各事業は複数年度にわたって同じ事業主体に補助金を交付していて前年度の仕入税額控除の有無を確認することができたのに、この確認を行っていなかったことによると認められる。