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  • 平成20年度|
  • 第3章 個別の検査結果|
  • 第1節 省庁別の検査結果|
  • 第12 国土交通省|
  • 不当事項|
  • 役務

電子複写機の賃貸借、保守等の業務において、落札価格の基礎となった単価よりも高い単価で契約を締結していたため、支払が過大となっているもの


(468) 電子複写機の賃貸借、保守等の業務において、落札価格の基礎となった単価よりも高い単価で契約を締結していたため、支払が過大となっているもの

会計名及び科目 一般会計 (組織)国土交通本省 (項)河川管理費等
    (組織)地方整備局 (項)地方整備局等
  治水特別会計(平成20年度以降は、社会資本整備事業特別会計(治水勘定))
      (項)河川事業費等
  道路整備特別会計(平成20年度以降は、社会資本整備事業特別会計(道路整備勘定))
      (項)道路事業費
  社会資本整備事業特別会計
    (治水勘定) (項)都市水環境整備事業費等
    (道路整備勘定) (項)道路環境改善事業費等
部局等 中国地方整備局
契約名
(1)  電子複写機賃貸借・保守及び消耗品の供給(その11)
 (平成19年度)
(2)  電子複写機賃貸借・保守及び消耗品の供給(その3)
 (平成20年度)
契約の概要 電子複写機を借り入れるとともに、これに係る保守及び消耗品等の提供を受けるもの
契約の相手方 リコー中国株式会社
契約
(1)  平成19年9月10日 一般競争契約(単価契約)
(2)  平成20年4月1日 随意契約(単価契約)
支払額
(1) 8,492,293円 (平成19年度)(19年10月分〜20年3月分)
(2) 12,557,463円 (平成20年度)(20年4月分〜同年12月分)
21,049,756円  
過大になっている支払額
(1) 3,394,029 円 (平成19年度)
(2) 5,141,875 円 (平成20年度)
8,535,904 円  

1 単価契約の概要

 中国地方整備局(以下「整備局」という。)は、業務において電子複写機を使用するため、平成19年度に、一般競争契約により「電子複写機賃貸借・保守及び消耗品の供給(その11)」としてリコー中国株式会社と単価契約を締結し、11台の電子複写機を借り入れるとともに、これに係る保守及び消耗品等(以下「保守等」という。)の提供を受けている。また、20年度においても、これら11台の電子複写機を継続して使用するため、随意契約により19年度と同一の単価で「電子複写機賃貸借・保守及び消耗品の供給(その3)」として同社と契約を締結している。そして、これらの契約に基づく支払額は、それぞれ8,492,293円(19年10月から20年3月まで)、12,557,463円(20年4月から同年12月まで)、計21,049,756円となっている。
 整備局では、上記の19年度一般競争契約の入札公告において、入札書に記載する金額は、1か月当たりの各電子複写機の賃貸借料と保守等の料金の合計金額とすることとしている。そして、このうち1か月当たりの保守等の料金については、複写1枚当たりの単価(以下「保守等単価」という。)に整備局が仕様書において示している各電子複写機の1か月間の複写予定枚数を乗ずることにより、算定することになっている。
 本件入札は、2社が参加して19年9月10日に実施され、同社が入札金額663,475円で落札した。そして、入札書は上記のとおり1か月当たりの賃貸借料と保守等の料金の合計金額のみの記載となっていて、保守等単価等は記載されていないことから、整備局は、落札後に同社に対して落札価格(消費税を含まない。)663,475円の基礎となった各電子複写機の賃貸借料、保守等単価などを記載した書類を提出させ、これに記載された賃貸借料及び保守等単価それぞれに消費税額を加えた金額をそれぞれの契約単価として、契約を締結していた。

2 検査の結果

 本院は、整備局において、合規性等の観点から、契約金額及び入札手続は適正かなどに着眼して会計実地検査を行った。そして、本件契約について、契約書等の書類により検査したところ、次のとおり契約単価の設定が適切でなかった。
 すなわち、同社から落札後に提出された前記の書類に記載され契約単価の一部を構成することとなった保守等単価は、落札価格の基礎となった単価よりも高い誤った単価となっており、契約単価が高いものとなっていた。その結果、前記の書類に記載されている1か月当たりの賃貸借料と保守等単価に1か月間の複写予定枚数を乗じた料金とを合計すると1,106,785円となり、落札価格663,475円に比べ高い金額となっていた。
 したがって、保守等単価を修正し、適正な契約単価を算定して、これに複写枚数を乗ずるなどして、各年度の支払額を計算すると、適正な支払額は、19年度5,098,264円、20年度7,415,588円、計12,513,852円となり、前記支払額との差額、19年度3,394,029円、20年度5,141,875円、計8,535,904円が過大になっていて、不当と認められる。
 このような事態が生じていたのは、整備局において、落札後に同社に提出させた書類に記載されている保守等単価に複写予定枚数を乗ずるなどして得られる金額が落札価格と一致しているかなどについて十分確認していなかったことによると認められる。