ページトップ
  • 平成20年度|
  • 第3章 個別の検査結果|
  • 第1節 省庁別の検査結果|
  • 第12 国土交通省|
  • 不当事項|
  • 補助金|
  • 補助事業の実施及び経理が不当と認められるもの|
  • (1) 補助金の交付額の算定が適切でないもの

公営住宅の家賃の低廉化に係る対象額の算定が適切でないもの


 公営住宅の家賃の低廉化に係る対象額の算定が適切でないもの

(1件 不当と認める国庫補助金 1,887,300円)

  部局等 補助事業者等
(事業主体)
補助事業等 年度 事業費
(国庫補助対象事業費)
左に対する国庫補助金等交付額 不当と認める事業費
(国庫補助対象事業費)
不当と認める国庫補助金等相当額
          千円 千円 千円 千円
(495) 長崎県 長崎市 地域住宅交付金
(公的賃貸住宅家賃低廉化)
18 91,177 41,029 4,194 1,887

 この交付金事業は、長崎市が、平成18年度に管理を開始している滑石(なめし)団地(管理戸数209戸)及び田ノ浦団地(同54戸)の公営住宅について、その入居者の家賃負担軽減のために、家賃の低廉化を図ることを目的として行ったものである。
 この公営住宅の家賃の低廉化に係る事業費は、公営住宅等家賃対策補助金交付要領(平成8年建設省住備発第87号)等に基づき、公営住宅の団地、管理開始年度、入居者の収入の区分等の別に対象となる額(以下「対象額」という。)をそれぞれ算定し、これらの対象額を合計した額とすることとされている。そして、対象額の算定の対象となる住戸は、基準日現在において入居者がいる住戸とされているが、このうち、公営住宅に引き続き3年以上入居し、かつ一定の基準を超える収入を有する者(以下「収入超過者」という。)が入居している住戸は除くこととされている。
 同市は、同年度の対象額の合計を91,177,000円と算定し、これを事業費としていた。
 しかし、同市は、両団地に係る対象額の算定に当たり、誤って、対象額の算定の対象とはならない収入超過者が入居している住戸12戸に係る額を含めていたため、対象額が過大に算定されていた。
 したがって、適正な対象額の合計を算定すると、86,983,000円となることから、本件事業費は4,194,000円が過大になっており、これに係る交付金相当額1,887,300円が過大に交付されていて不当と認められる。
 このような事態が生じていたのは、同市において、対象額の算定に当たり、収入超過者が入居している住戸に係る額が含まれていないことの確認が十分でなかったこと、また、長崎県において、受理した交付金交付申請書等の審査が十分でなかったことによると認められる。