部局等 | 補助事業者等 (事業主体) |
補助事業等 | 年度 | 事業費 (国庫補助対象事業費) |
左に対する国庫補助金等交付額 | 不当と認める事業費 (国庫補助対象事業費) |
不当と認める国庫補助金等相当額 | |
千円 | 千円 | 千円 | 千円 | |||||
(513) | 埼玉県 | さいたま市 | 地域住宅交付金(公営住宅ストック総合改善) | 19 | 87,990 | 39,595 | 3,328 | 1,497 |
この交付金事業は、さいたま市が、中央区本町西地内において、市営住宅上町住宅1号棟(鉄筋コンクリート造5階建て、管理戸数30戸)及び2号棟(鉄筋コンクリート造4階建て、管理戸数24戸)の耐震補強工事として、耐震補強工、外壁改修工等を工事費87,990,000円(交付金相当額39,595,500円)で実施したものである。このうち外壁改修工は、耐震補強工で各棟の壁面に設置した補強部材が足場となり外部から住居に人が侵入するおそれがあることから、防犯を目的として、補強部材に面した窓にアルミ製面格子(縦1.3m、横1.7m。以下「面格子」という。)を設置などするもので、面格子の設置は、1号棟の7か所及び2号棟の5か所、計12か所となっている(参考図参照)
。
同市は、面格子の設置費(材料費込み。以下同じ。)について、別途同時期に施工した他団地の耐震補強工事(以下「別途工事」という。)で使用した面格子と仕様が同一であったことから、別途工事の積算に当たり徴した見積りに基づいて決定していた。そして、別途工事の見積価格に同市が定めた査定率を乗ずるなどして算定した金額380,000円を1か所当たりの設置費として、これに設置箇所数12を乗じて、面格子の設置費を計4,560,000円と積算していた。
しかし、同市が積算に用いた上記の見積価格は、別途工事の1棟当たりの面格子の設置箇所数9か所分の合計価格であり、これを1か所当たりの設置費として算定したのは誤りであって、正しくはその見積価格を9で除してから査定率を乗ずるなどするべきであった。
そして、上記により適正な面格子1か所当たりの設置費を算定すると42,300円となり、これに設置箇所数12を乗じて適正な面格子の設置費を積算すると計507,600円となることから、前記積算額は4,052,400円が過大となっていた。
したがって、本件工事費を修正計算すると、諸経費等を含めた工事費総額は84,661,500円となり、本件工事費はこれに比べて3,328,500円割高になっていて、これに係る交付金相当額1,497,825円が不当と認められる。
このような事態が生じていたのは、同市において、別途工事に係る見積りの内容を十分に理解していなかったこと及び工事費の積算に対する審査が十分でなかったことによると認められる。
(参考図)