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  • 平成20年度|
  • 第3章 個別の検査結果|
  • 第1節 省庁別の検査結果|
  • 第12 国土交通省|
  • 本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項

固定電話の使用に当たり、経済的な料金プランを利用することにより通話料の節減を図るよう改善させたもの


(2) 固定電話の使用に当たり、経済的な料金プランを利用することにより通話料の節減を図るよう改善させたもの

会計名 一般会計、特定国有財産整備特別会計、自動車安全特別会計(平成19年度以前は、自動車損害賠償保障事業特別会計、自動車検査登録特別会計)、社会資本整備事業特別会計(平成19年度以前は、治水特別会計、道路整備特別会計、港湾整備特別会計、空港整備特別会計)
部局等 国土交通本省、8地方整備局、北海道開発局、中国運輸局、神戸運輸監理部、2地方航空局、4航空交通管制部
契約の概要 各事業所間や関係業者及び事業実施現場に赴いた職員との連絡等を行うため、電話回線を利用するもの
契約の相手方 5固定電話会社
経済的な料金プランを利用していなかった通話料
4311万余円
(平成19、20両年度)

節減できた通話料
1262万余円
(平成19、20両年度)

1 固定電話の通話料の概要

(1) 国土交通省における電話の使用状況

 国土交通本省(以下「本省」という。)並びに地方整備局、北海道開発局、地方運輸局、運輸監理部、地方航空局及び航空交通管制部(以下、これらを合わせて「地方支分部局」という。)は、各事業所間や関係業者及び事業実施現場に赴いた職員との連絡等を行うために、執務室等に設置されている有線式の電話(以下「固定電話」という。)及び携帯電話を使用している。このうち固定電話については、東日本電信電話株式会社等(注1) の固定電話に係る電気通信事業を行う電気通信事業者(以下「固定電話会社」という。)とそれぞれ利用契約を締結して通話料、回線使用料等の電話料金を支払っている。

(2) 固定電話から携帯電話に電話をかける場合の経済的な料金プラン

 固定電話から携帯電話に電話をかける場合(以下、このことを「固定電話発携帯電話着」という。)については、平成16年度以降に、各固定電話会社から、固定電話発携帯電話着の通話料に係る各種の経済的な料金プランが提供されている。
 この料金プランのうち主なものとしては、1分間当たりの通話料を全国一律16.5円とするものなどがある。この料金プランを利用するためには、固定電話の利用者が携帯電話へ発信する際に、固定電話会社ごとの認識番号「00XY」(以下「事業者識別番号」という。)を携帯電話番号の前に付することなどとなっている。

2 検査の結果

(検査の観点、着眼点、対象及び方法)

 近年、携帯電話の普及に伴い、携帯電話を所持する職員、関係業者の社員等が増加したことなどから、本省及び地方支分部局では日常業務において、固定電話間だけでなく固定電話から現場の職員等の携帯電話に電話をかけることが多くなってきており、これらの電話料金の支払額は毎年度多額に上っている。
 そこで、本院は、経済性等の観点から、本省及び地方支分部局において、固定電話発携帯電話着の通話料に係る経済的な料金プランを適切に利用しているかなどの点に着眼して検査した。
 そして、本省、8地方整備局(注2) 、北海道開発局、9地方運輸局(注3) 、神戸運輸監理部、2地方航空局(注4) 及び4航空交通管制部(注5) (以下、これらを「本省及び25地方支分部局」という。)に設置された電話回線及び電話料金(19年度2,357回線、2億5012万余円、20年度2,308回線、2億3863万余円)を対象として、計算証明規則(昭和27年会計検査院規則第3号)に基づき本院に提出された証拠書類等により書面検査を実施するとともに、本省、5地方整備局(注6) 及び北海道開発局において会計実地検査を行った。また、上記以外の19地方支分部局については、関係書類を本省から提出させた上で検査した。

(検査の結果)

 検査したところ、本省及び25地方支分部局のうち、本省、8地方整備局、北海道開発局、中国運輸局、神戸運輸監理部、2地方航空局及び4航空交通管制部(以下「本省及び17地方支分部局」という。)において、次のような事態が見受けられた。
 すなわち、本省及び17地方支分部局の電話回線19年度559回線、20年度512回線において、固定電話発携帯電話着の通話料について、事業者識別番号を携帯電話番号の前に付するなどすれば経済的な料金プランを利用できるのに、この料金プランを利用していないものが見受けられた。
 このように、経済的な料金プランを利用することにより通話料の節減を図ることが可能であったのに、この料金プランを利用することなく割高な通話料を支払っている事態は適切とは認められず、改善を図る必要があると認められた。

(節減できた通話料)

 本省及び17地方支分部局の559回線及び512回線における固定電話発携帯電話着の通話料のうち、経済的な料金プランを利用していなかった通話料19年度2197万余円、20年度2113万余円、計4311万余円について、経済的な料金プランを利用したとして修正計算すると、19年度1554万余円、20年度1494万余円、計3048万余円となり、差し引き19年度643万余円、20年度618万余円、計1262万余円が節減できたと認められた。

(発生原因)

 このような事態が生じていたのは、本省及び17地方支分部局において、経済的な料金プランを適切に利用することにより通話料の節減を図ることについての認識が十分でなかったことなどによると認められた。

3 当局が講じた改善の処置

 上記についての本院の指摘に基づき、本省及び17地方支分部局は、21年8月までに、通話料の節減を図るため、自動的に事業者識別番号を付することができるように構内電話交換機の設定を変更するなどして、固定電話発携帯電話着の通話料に係る経済的な料金プランを適切に利用することとした。また、本省は、今後の通話料の節減を図るために、21年9月に地方支分部局に対して通知を発し、今後新たに提供される経済的な料金プランについても常に把握等を行い、その利用について周知徹底するなどの処置を講じた。

 東日本電信電話株式会社等  東日本電信電話株式会社、西日本電信電話株式会社、エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社、KDDI株式会社、ソフトバンクテレコム株式会社

 8地方整備局  東北、関東、北陸、中部、近畿、中国、四国、九州各地方整備局

 9地方運輸局  北海道、東北、関東、北陸信越、中部、近畿、中国、四国、九州各運輸局

 2地方航空局  東京、大阪両航空局

 4航空交通管制部  札幌、東京、福岡、那覇各航空交通管制部

 5地方整備局  関東、中部、近畿、四国、九州各地方整備局