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  • 平成20年度|
  • 第3章 個別の検査結果|
  • 第2節 団体別の検査結果|
  • (第22 独立行政法人都市再生機構)|
  • 不当事項|
  • 役務

(588) 消防用設備点検等業務の委託費の積算に当たり、一般管理費等率の適用を誤っていたため、契約額が割高となっているもの


(588) 消防用設備点検等業務の委託費の積算に当たり、一般管理費等率の適用を誤っていたため、契約額が割高となっているもの

科目
(都市再生勘定) (項)賃貸住宅業務費
部局等
独立行政法人都市再生機構埼玉地域支社
契約名
消防用設備点検等業務
契約の概要
賃貸住宅団地内に設置された消防用設備の法定点検等を行うもの
契約の相手方
日本総合住生活株式会社
契約
平成19年5月、20年4月 随意契約
契約額
244,965,000円
(平成19、20両年度)
割高になっている契約額
6,600,000円
(平成19、20両年度)

1 消防用設備点検等業務の概要

 独立行政法人都市再生機構埼玉地域支社(以下「埼玉支社」という。)は、平成19、20両年度に、賃貸住宅団地内に設置された消防用設備を対象として、消防法(昭和23年法律第186号)等に基づく法定点検業務及び法定点検により発見された消防用設備の不良等について暫定的な修復等を行う機能維持業務を消防用設備点検等業務として、19年度120,750,000円、20年度124,215,000円で、機構の特定関連会社(注) である日本総合住生活株式会社に、随意契約により委託して実施している。
 埼玉支社は、消防用設備点検等業務の委託費の積算について、独立行政法人都市再生機構本社(以下「本社」という。)制定の「消防用設備点検等業務委託費算定基準」(以下「算定基準」という。)に基づいて行っている。算定基準によると、委託費は、点検業務費と消費税等相当額の合計額となっていて、このうち点検業務費は、直接人件費、直接経費及び業務管理費の合計額である業務原価と一般管理費等との合計額となっている。この一般管理費等は、業務原価に所定の一般管理費等率(20%)を乗じて算定することとなっているが、随意契約により特定関連会社と業務委託契約を締結する場合には、14年7月に本社が各支社あてに発した事務連絡により、一般管理費等率は16%に低減することとされている。

 特定関連会社  独立行政法人が政策目的のため法令等で定められた業務として出資する会社であって、その会社の議決権の過半数を所有しているという事実が認められる場合等における当該会社をいう。

2 検査の結果

 本院は、埼玉支社において、経済性等の観点から、本件業務に係る積算が適切に行われているかなどに着眼して会計実地検査を行った。そして、本件業務について、契約書、委託費内訳明細書等の書類により検査したところ、一般管理費等の算定が次のとおり適切でなかった。
 すなわち、埼玉支社は、本件業務の委託費の積算に当たり、誤って、一般管理費等率を算定基準に定められている20%として一般管理費等を算定していた。しかし、前記のとおり、本件業務は、随意契約により機構の特定関連会社である日本総合住生活株式会社に委託しているのであるから、一般管理費等率としては前記の事務連絡に定められている16%を適用すべきであった。
 したがって、上記に基づいて本件消防用設備点検等業務の委託費を修正計算すると、19年度117,495,000円、20年度120,797,250円となり、これに比べて前記の契約額19年度120,750,000円、20年度124,215,000円は、19年度約320万円、20年度約340万円、計約660万円割高になっていて不当と認められる。
 このような事態が生じていたのは、埼玉支社において、前記の事務連絡に対する認識が十分でなかったことなどによると認められる。