この会社は、一般の金融機関が行う金融を補完することを旨としつつ、国民一般、中小企業者及び農林水産業者の資金調達を支援するための金融の機能並びに我が国にとって重要な資源の海外における開発及び取得を促進し、並びに我が国の産業の国際競争力の維持及び向上を図るための金融の機能を担うとともに、内外の金融秩序の混乱又は大規模な災害、テロリズム若しくは感染症等による被害に対処するために必要な金融を行うほか、当該必要な金融が銀行その他の金融機関により迅速かつ円滑に行われることを可能とし、もって我が国及び国際経済社会の健全な発展並びに国民生活の向上に寄与することを目的として設置されているものである。その資本金は20年度(注1)
末現在で2兆4521億6700万円となっている。
なお、同会社は、20年10月1日、株式会社日本政策金融公庫法(平成19年法律第57号)附則第15条、第16条、第17条及び第18条の規定により、国が承継する資産を除き、解散した国民生活金融公庫、農林漁業金融公庫、中小企業金融公庫及び国際協力銀行(注2)
(独立行政法人国際協力機構が承継するものを除く。)の一切の権利及び義務を承継して設立されたものである。
同会社の会計は、国民一般向け業務、農林水産業者向け業務、中小企業者向け融資・証券化支援保証業務、中小企業者向け証券化支援買取業務、信用保険等業務、国際協力銀行業務及び危機対応円滑化業務の7勘定に区分して経理されており、その勘定別の20年度の収入支出決算、損益、借入金等及び主な業務実績は次のとおりである。
(注1) | 同会社の20年度は、20年10月1日から21年3月31日までである。
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(注2) | 国民生活金融公庫、農林漁業金融公庫、中小企業金融公庫及び国際協力銀行の20年9月30日現在における貸借対照表上の資産、負債及び純資産は次のとおりである。
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(1) 国民生活金融公庫の資産は7兆7270億9305万余円、負債は7兆3459億0705万余円及び純資産は3811億8600万円
(2) 農林漁業金融公庫の資産は2兆8547億9806万余円、負債は2兆5358億8713万余円及び純資産は3189億1092万余円
(3) 中小企業金融公庫の資産は6兆4471億9125万余円、負債は5兆3866億2016万余円及び純資産は1兆0605億7109万余円
(4) 国際協力銀行の資産は9兆1303億9543万余円、負債は7兆2945億4575万余円及び純資産は1兆8358億4967万余円
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ア 国民一般向け業務(国民一般向け業務勘定)
(ア) 収入支出決算
収入 | 収入済額(千円) |
20年度 | 87,092,572 |
支出 | 支出予算現額(千円) | 支出済額(千円) | 不用額(千円) |
20年度 | 69,756,592 | 65,556,229 | 4,200,362 |
(イ) 損益
科目 | 20年度(千円) |
経常収益 うち貸付金利息 経常費用 うち借入金利息 特別利益 特別損失 当期純損失 (損失金の処理) 繰越利益剰余金として整理 |
87,283,177 82,365,443 106,290,229 24,925,839 285,757 29,587 18,750,882 △18,750,882 |
(ウ) 借入金等
区分 | 20年度末(千円) |
借入金残高(財政融資資金等) 社債発行残高 |
5,756,339,500 1,239,189,465 |
(エ) 主な業務実績
区分 | 20年度 | |
貸付け | 件数 | 264,370件 |
金額 | 1,263,645,184千円 | |
貸出金回収等 | 金額 | 1,381,795,163千円 |
(うち貸出金償却) | (36,123,510千円) | |
年度末貸出金残高 | 件数 | 2,579,842件 |
金額 | 7,190,817,770千円 | |
上記のうちリスク管理債権の状況
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破綻先債権
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43,377,606千円 | |
延滞債権
|
163,890,284千円 | |
3ヵ月以上延滞債権
|
233,749千円 | |
貸出条件緩和債権
|
309,915,387千円 | |
計 | 517,417,027千円 | |
貸倒引当金
|
104,290,275千円 | |
(注) 貸倒引当金は、破綻先、実質破綻先の債務者に係る債権については、債権額から担保の処分可能見込額等を控除した額を計上している。また、破綻懸念先の債務者に係る債権については、債権額から担保の処分可能見込額等を控除し、その残額のうち債務者の支払能力を総合的に判断し必要と認める額を計上している。上記以外の債務者に係る債権については、過去の一定期間における貸倒実績率等に基づき算出した額を計上している。
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イ 農林水産業者向け業務(農林水産業者向け業務勘定)
(ア) 収入支出決算
収入 | 収入済額(千円) |
20年度 | 58,675,617 |
支出 | 支出予算現額(千円) | 支出済額(千円) | 不用額(千円) |
20年度 | 43,687,099 | 41,988,417 | 1,698,681 |
(イ) 損益
科目 | 20年度(千円) |
経常収益 うち貸出金利息 経常費用 うち借用金利息 特別利益 特別損失 当期純利益 |
39,331,569 29,358,999 40,693,616 25,581,799 1,373,055 11,009 — |
(ウ) 借入金等
区分 | 20年度末(千円) |
借入金残高(財政融資資金等) 社債発行残高 |
2,262,741,058 139,904,508 |
(エ) 主な業務実績
区分 | 20年度 | |
貸付け 貸出金回収等 (うち貸出金償却) 年度末貸出金残高 |
件数 金額 金額 件数 金額 |
6,995件 142,581,933千円 200,636,838千円 (47,431千円) 209,060件 2,721,183,667千円 |
上記のうちリスク管理債権の状況
破綻先債権
延滞債権 3ヵ月以上延滞債権 貸出条件緩和債権 計
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1,287,814千円 76,064,139千円 3,864,888千円 24,843,901千円 106,060,743千円 |
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貸倒引当金
|
21,237,551千円 | |
(注) 貸倒引当金は、破綻先、実質破綻先の債務者に係る債権については、債権額から担保の処分可能見込額等を控除した額を計上している。また、破綻懸念先の債務者に係る債権については、債権額から担保の処分可能見込額等を控除し、その残額のうち債務者の支払能力を総合的に判断し必要と認める額を計上している。上記以外の債務者に係る債権については、過去の一定期間における貸倒実績率等に基づき算出した額を計上している。
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ウ 中小企業者向け業務(中小企業者向け融資・証券化支援保証業務勘定、中小企業者向け証券化支援買取業務勘定)
(ア) 収入支出決算
収入 | 収入済額(千円) |
20年度 | 64,950,440 |
支出 | 支出予算現額(千円) | 支出済額(千円) | 不用額(千円) |
20年度 | 43,442,759 | 38,337,463 | 5,105,295 |
(イ) 損益
a 中小企業者向け融資・証券化支援保証業務勘定
科目 | 20年度(千円) | 経常期又益 うち貸出金利息 経常費用 うち借用金利息 うち社債利息 特別利益 特別損失 当期純損失 (損失金の処理) 繰越利益剰余金として整理 |
64,522,743 51,579,369 91,593,285 12,719,162 15,364,715 144,864 8,850 26,934,528 △26,934,528 |
b 中小企業者向け証券化支援買取業務勘定
科目 | 20年度(千円) |
経常期又益 うち有価証券利息配当金 経常費用 うち社債利息 特別利益 当期純損失 (損失金の処理) 繰越利益剰余金として整理 |
318,209 290,577 577,967 15,008 398 259,359 △259,359 |
(ウ) 借入金等
a 中小企業者向け融資・証券化支援保証業務勘定
区分 | 20年度末(千円) |
借入金残高(財政融資資金等) 社債発行残高 |
2,821,337,000 2,297,221,643 |
b 中小企業者向け証券化支援買取業務勘定
区分 | 20年度末(千円) |
社債発行残高 | 3,099,884 |
(エ) 主な業務実績
a 中小企業者向け融資・証券化支援保証業務勘定
区分 | 20年度 | |
貸付け等 | 件数 | 13,668件 |
金額 | 887,604,842千円 | |
貸出金回収等 | 金額 | 845,171,642千円 |
(うち貸出金償却) | (31,028,448千円) | |
年度末貸出金等残高 | 件数 | 169,997件 |
金額 | 5,427,686,639千円 | |
上記のうちリスク管理債権の状況
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破綻先債権
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54,219,099千円 | |
延滞債権
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458,308,686千円 | |
3ヵ月以上延滞債権
|
— | |
貸出条件緩和債権
|
153,114,568千円 | |
計 | 665,642,354千円 | |
貸倒引当金
|
165,002,086千円 | |
(注) 貸倒引当金は、破綻先、実質破綻先の債務者に係る債権については、債権額から担保の処分可能見込額等を控除した額を計上している。また、破綻懸念先の債務者に係る債権については、債権額から担保の処分可能見込額等を控除し、その残額のうち債務者の支払能力を総合的に判断し必要と認める額を計上している。上記以外の債務者に係る債権については、過去の一定期間における貸倒実績率等に基づき算出した額を計上している。
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b 中小企業者向け証券化支援買取業務勘定
区分 | 20年度 | |
貸付債権元本 | 件数 | — |
金額 | — |
エ 信用保険等業務(信用保険等業務勘定)
(ア) 収入支出決算
収入 | 収入済額(千円) |
20年度 | 156,795,571 |
支出 | 支出予算現額(千円) | 支出済額(千円) | 不用額(千円) |
20年度 | 464,294,272 | 434,066,303 | 30,227,969 |
不用額の主なものは、保険金(支出予算現額4565億0647万余円)の294億2978万余円である。
(イ) 損益
科目 | 20年度(千円) |
経常期又益 うち保険料
経常費用うち保険金
特別利益特別損失 当期純損失 (損失金の処理) 翌年度に資本準備金を取り崩して整理 |
91,873,195 90,020,461 724,768,417 427,076,688 18,750 98 632,876,571 632,876,571 |
(ウ) 主な業務実績
中小企業信用保険
区分 | 20年度 | |
保険関係成立 保険金支払 支払保険金等回収 |
件数 保険価額 件数 金額 金額 |
792,387件 13,058,458,158千円 56,076件 426,598,529千円 67,355,007千円 |
オ 国際協力銀行業務(国際協力銀行業務勘定)
(ア) 収入支出決算
収入 | 収入済額(千円) |
20年度 | 176,225,631 |
支出 | 支出予算現額(千円) | 支出済額(千円) | 不用額(千円) |
20年度 | 300,880,247 | 153,975,153 | 146,905,093 |
不用額の主なものは、支払利息(支出予算現額2876億2549万余円)の1415億0324万余円、業務諸費(同57億0039万円)の23億3731万余円及び社債発行諸費(同15億3776万余円)の14億0770万余円である。
(イ) 損益
科目 | 20年度(千円) |
経常収益 うち貸出金利息
経常費用うち借用金利息
特別利益特別損失 当期純利益 (利益金の処理) 翌年度に準備金として積立て 翌年度に国庫へ納付 |
97,740,078 93,512,059 77,810,480 24,392,602 6,947,953 39,181 26,838,369 13,419,184 13,419,184 |
(ウ) 借入金等
区分 | 20年度末(千円) |
借入金残高(財政融資資金等) 社債発行残高 |
4,019,847,000 2,093,214,217 |
(エ) 主な業務実績
区分 | 20年度 | |
貸付け | 件数 | 246件 |
金額 | 1,785,083,588千円 | |
貸出金回収等 | 金額 | 1,095,333,608千円 |
(うち貸出金償却) | (2,118,983千円) | |
年度末貸出金残高 | 件数 | 1,501件 |
金額 | 7,243,068,243千円 | |
上記のうちリスク管理債権の状況
|
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破綻先債権
延滞債権 3カ月以上延滞債権 貸出条件緩和債権 |
26,908,261千円 110,674,791千円 92,894,821千円 |
|
計 | 230,477,874千円 | |
貸倒引当金
|
126,500,331千円 | |
(注) 貸倒引当金は、破綻先、実質破綻先の債務者に係る債権については、債権額から担保の処分可能見込額等を控除した額を計上している。また、破綻懸念先の債務者に係る債権については、債権額から担保の処分可能見込額等を控除し、その残額のうち債務者の支払能力を総合的に判断し必要と認める額を計上している。上記以外の債務者に係る債権については、過去の一定期間における貸倒実績率等に基づき算出した額を計上している。さらに、特定海外債権については、対象国の政治経済情勢等に起因して生ずる損失見込額を計上している。
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カ 危機対応円滑化業務(危機対応円滑化業務勘定)
(ア) 収入支出決算
収入 | 収入済額(千円) |
20年度 | 598,754 |
支出 | 支出予算現額(千円) | 支出済額(千円) | 不用額(千円) |
20年度 | 24,422,205 | 428,242 | 23,993,962 |
不用額の主なものは、補償金(支出予算現額144億1183万余円)の144億1183万余円、支払利息(同82億9585万余円)の79億5207万余円及び社債発行諸費(同15億9923万余円)の15億9721万余円である。
(イ) 損益
科目 | 20年度(千円) |
経常収益 うち貸出金利息
経常費用うち借用金利息
特別利益当期純損失 (損失金の処理) 繰越利益剰余金として整理 |
909,172 674,749 4,341,006 600,749 537 3,431,296 △3,431,296 |
(ウ) 借入金等
区分 | 20年度末(千円) |
借入金残高(財政融資資金) 社債発行残高 |
1,130,300,000 299,884,745 |
(エ) 主な業務実績
区分 | 20年度 | ||
ツーステップ・ローン | 貸付け等 | 1,130,300,000千円 | |
CP取得 | 299,813,496千円 | ||
貸出金回収等 | 金額 | — | |
年度末貸出金残高 | 金額 | 1,430,113,496千円 | |
損害担保引受応諾額 | 貸付け等 | 195,291,800千円 | |
CP取得 | — | ||
補償金支払額 | 金額 | ||
支払補償金回収 | 金額 | — | |
年度末貸出金残高のうちリスク管理債権の状況
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破綻先債権
延滞債権 3カ月以上延滞債権 貸出条件緩和債権 計
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— — — — — |
||
貸倒引当金 | 572,177千円 | ||
(注) 貸倒引当金は、破綻先、実質破綻先の債務者に係る債権については、債権額から担保の処分可能見込額等を控除した額を計上している。また、破綻懸念先の債務者に係る債権については、債権額から担保の処分可能見込額等を控除し、その残額のうち債務者の支払能力を総合的に判断し必要と認める額を計上している。上記以外の債務者に係る債権については、過去の一定期間における貸倒実績率等に基づき算出した額を計上している。
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