(平成20年度決算検査報告 参照)
国税庁は、税務署長が国税を還付する場合、所定の日の翌日から還付金の支払決定日までの日数に応じて、還付金の額に一定の割合を乗じて計算した金額を還付加算金として当該還付金に合わせて支払うこととしている。還付加算金は、還付金額が高額であるほど、また、支払事務に多くの日数を要するほど多額となるが、税務署等において、還付金額が高額な上場法人等の還付申告や輸出業者の消費税に係る還付申告を他の還付申告と区分していないことなどから支払事務に多くの日数を要していて、その結果、還付加算金を多額に支払っている事態が見受けられた。
したがって、国税庁において、還付金額が高額な申告について、他の還付申告と区分して早期に支払事務が完了するよう、国税局等及び税務署に対して十分な指導及び監督を行うことなどの処置を講ずるよう、国税庁長官に対して平成21年7月に、会計検査院法第36条の規定により改善の処置を要求した。
本院は、国税庁において、その後の処置状況について会計実地検査を行った。
検査の結果、国税庁は、本院指摘の趣旨に沿い、22年7月に国税局等に対して事務連絡を発し、還付金額が高額な申告を他の申告と区分すること、この区分した高額な申告の支払を優先して処理するなどして高額還付事案の早期処理に努めることを指示するなどの処置を講じていた。
そして、上記の事務連絡では、高額な申告を区分する際の具体的な金額の基準については、各国税局等及び税務署の実情に応じて個別に設定させることとしており、各国税局等及び税務署において検討を行っている。