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  • 平成21年度|
  • 第3章 個別の検査結果|
  • 第1節 省庁別の検査結果|
  • 第9 文部科学省|
  • 不当事項|
  • 役務

地域子ども教室推進事業等の委託に当たり、支払の事実のない謝金を再委託費に含めるなどしていたため、委託費の支払額が過大となっていたもの


(88) 地域子ども教室推進事業等の委託に当たり、支払の事実のない謝金を再委託費に含めるなどしていたため、委託費の支払額が過大となっていたもの

会計名及び科目 一般会計 (組織)文部科学本省 (項)生涯学習振興費
部局等 文部科学本省
契約名 (1) 「地域子ども教室推進事業」事業実施委託(平成16年度)
「地域教育力再生プラン」事業実施委託(平成17、18両年度)
(2) 「家庭教育支援総合推進事業」事業実施委託(平成16年度)
「家庭教育支援総合推進事業」実施委託(平成17、18両年度)
契約の概要 (1) 子どもの居場所の設置、指導員の人材の確保等を行うコーディネーターの配置等を実施するもの
(2) 親等が参加する様々な機会を活用した家庭教育に関する学習機会の提供等を実施するもの
契約の相手方 (1) 鹿児島県地域子ども教室運営協議会(平成16年度)
鹿児島県地域教育力再生プラン運営協議会(平成17、18両年度)
(2) 鹿児島県地域家庭教育推進協議会(平成16年度〜18年度)
契約 (1) 平成16年4月ほか 随意契約
(2) 平成16年4月ほか 随意契約
支払額 (1) 119,464,601円 (平成16年度〜18年度)
(2) 72,037,136円 (平成16年度〜18年度)
過大となっていた支払額 (1) 7,138,740円 (平成16年度〜18年度)
(2) 680,990円 (平成16年度〜18年度)
7,819,730円  

1 委託事業の概要

(1) 委託事業の概要

 文部科学省(以下「本省」という。)は、子どもの居場所の設置、指導員の人材の確保等を行うコーディネーターの配置等を実施するために地域子ども教室推進事業を、また、親等が参加する様々な機会を活用した家庭教育に関する学習機会の提供等を実施するために家庭教育支援総合推進事業を、それぞれ随意契約により、鹿児島県教育委員会を中心として組織された平成16年度から18年度までの延べ6の協議会(鹿児島県地域子ども教室運営協議会(16年度)、鹿児島県地域教育力再生プラン運営協議会(17、18両年度)及び鹿児島県地域家庭教育推進協議会(16年度から18年度)。以下、これらを合わせて「6協議会」という。)に委託して実施している。そして、6協議会は、これらの事業を実施するに当たり、その一部を、随意契約により、川辺町(注) 地域子ども教室推進事業実行委員会等16年度から18年度までの延べ11の委員会(以下「11委員会」という。)に再委託して実施している。

 川辺町  平成19年12月1日以降は南九州市

(2) 委託費の額の確定

 6協議会は、事業終了後、11委員会から再委託事業に係る実績報告書、収支精算書等(以下「実績報告書」という。)の提出を受けて再委託費の額の確定を行うとともに、この再委託費を含めた委託事業全体の実績報告書を作成して、本省に提出し、委託費の額の確定を受けている。この委託費の支払額は、16年度80,337,059円、17年度63,679,883円、18年度47,484,795円、計191,501,737円となっており、このうち6協議会が11委員会に対して支払った再委託費の額は、16年度13,981,516円、17年度3,597,520円、18年度2,517,340円、計20,096,376円となっている。

2 検査の結果

 本院は、本省において、合規性等の観点から、委託費の経理が適正に処理されているかなどに着眼して、本件事業について、実績報告書、領収書等の書類により会計実地検査を行うとともに、事業終了後に解散している6協議会及び11委員会の事務を引き継いだ鹿児島県教育委員会等から説明を聴取したり、書面を徴したりなどした。
 検査したところ、6協議会は、11委員会から、支払の事実のない謝金や本件事業の目的とは異なる町の教育委員会の用途のために購入した物品の費用を含めるなどして、実際に事業に要した支払額より過大な金額を再委託費として計上した実績報告書の提出を受けるなどしていたのに、支払の事実を証する領収書等の有無を確認しないまま、これらの金額を委託事業全体の実績報告書の委託費の額に計上して本省に提出し、額の確定を受けていた。
 したがって、上記の不適正な支払額を控除して11委員会が実際に事業に要した適正な再委託費の額を計算すると計12,276,646円となることから、前記再委託費の支払額計20,096,376円との差額計7,819,730円が過大に支払われており、ひいては本件委託費が同額過大に支払われていて、不当と認められる。
 このような事態が生じていたのは、11委員会において不適正な会計経理が行われていたのに、6協議会において、11委員会から提出された実績報告書に対する調査及び確認が十分でなかったこと、本省において、6協議会から提出された実績報告書に対する調査及び確認が十分でなかったことなどによると認められる。