会計名及び科目 | (1) | 一般会計 (組織)文部科学本省 | ||
(項)原子力安全対策費 | ||||
(平成18年度以前は、(項)原子力平和利用研究促進費) | ||||
(2) | エネルギー対策特別会計(電源開発促進勘定) | |||
(項)電源立地対策費 | ||||
(項)電源利用対策費 | ||||
平成18年度以前は、 | ||||
電源開発促進対策特別会計 | ||||
(電源立地勘定) | (項)電源立地対策費 | |||
(電源利用勘定) | (項)電源利用対策費 | |||
部局等 | 文部科学本省 | |||
契約名 | (1) | ウラン又はトリウムを含む物の使用及び安全確保に関する調査等4件の委託(平成15年度、18年度〜20年度) | ||
(2) | 試験研究炉等廃止措置安全性実証等(プルトニウム燃料製造施設の廃止措置)等21件の委託(平成15年度〜20年度) | |||
契約の概要 | (1) | 核原料物質等の使用に関する調査及び安全上の管理方法等に係る整理・検討等 | ||
(2) | 核燃料サイクル施設の廃止措置に伴い発生する放射性廃棄物の処理技術の評価、安全性の実証等 | |||
契約の相手方 | 財団法人原子力研究バックエンド推進センター | |||
契約 | (1) | 平成15年8月ほか 契約4件(随意契約2件、一般競争契約2件) | ||
(2) | 平成15年4月ほか 契約21件(随意契約19件、一般競争契約2件) | |||
計 | 25件 | |||
支払 | (1) | 平成16年4月ほか | ||
(2) | 平成15年9月ほか | |||
支払額 | (1) | 26,916,522円 | (平成15年度、18年度〜20年度) | |
(2) | 1,013,056,434円 | (平成15年度〜20年度) | ||
計 | 1,039,972,956円 | |||
過大となっていた支払額 | (1) | 1,227,987円 | (平成15年度、18年度〜20年度) | |
(2) | 79,381,955円 | (平成15年度〜20年度) | ||
計 | 80,609,942円 |
文部科学本省は、平成15年度から20年度までの各年度に、核燃料サイクル施設の廃止措置に伴い発生する放射性廃棄物の処理技術の評価等を行って安全性を実証する「試験研究炉等廃止措置安全性実証等(プルトニウム燃料製造施設の廃止措置)」等25件の委託契約を、財団法人原子力研究バックエンド推進センター(以下「財団」という。)と締結しており、委託費として計1,039,972,956円を支払っている。
文部科学本省は、委託契約の支払額については、委託業務の契約額と委託業務に従事する者の人件費、試験費、調査費等の委託業務に要した実支出額のいずれか低い額を委託費の額として確定して支払うこととしている。このうち人件費については、委託業務に従事した者の1日当たりの人件費単価(以下「日額単価」という。)に、実際に委託業務に従事した日数を乗じて算定することとしている。
そして、文部科学本省は、本件委託契約に基づき、財団から委託業務完了報告書を提出させ、委託業務の実施に要した経費を証ひょう、帳簿等により確認したとして、委託費の支払額を確定している。
本院は、文部科学本省及び財団において、合規性等の観点から、委託業務の経理及び委託業務に要したとする経費は適正かなどに着眼して、前記の25契約を対象として、委託契約書、委託業務完了報告書等の書類により会計実地検査を行った。
検査したところ、財団は、上記25契約の委託業務完了報告書の提出に当たり、委託業務に従事した者に支給された給与等の年間総支給額を年間所定労働日数で除して日額単価を算出し、これに委託業務に従事した日数を乗じて人件費を計419,789,348円と算定していた。そして、委託業務に従事していた者の中には、独立行政法人日本原子力研究開発機構(17年9月30日以前は核燃料サイクル開発機構。以下「機構」という。)からの出向者が含まれており、財団は、当該出向者の日額単価についても上記の方法により15,187円から65,402円(平均53,623円)と算出していた。
しかし、当該出向者の給与については、財団と機構との間で取り交わした職員の出向に関する協定書等に基づき、機構が直接出向者に全額を支給した後、財団はその一部のみを分担金として機構に支払っていた。このため、出向者の日額単価として算出された上記の額のうち、財団が実際に負担しているのは、これらを大幅に下回る7,045円から37,687円(平均28,628円)であった。
また、委託業務に従事した日数についても、財団は、委託業務と直接関係のない業務に従事した日を含めるなどしていた。
したがって、財団が実際に負担した額に基づく日額単価や実際に委託業務に従事した日数により人件費を算定すると計347,738,577円となり、これによるなどして適正な委託費を算定すると計959,363,014円となることから、前記委託費の支払額との差額計80,609,942円が過大となっていて、不当と認められる。
このような事態が生じていたのは、財団において、委託業務における人件費の算定方法 についての理解及び確認が不足していたこと、文部科学本省において、委託業務完了報告 書等に対する調査及び確認が十分でなかったことなどによると認められる。