私立学校施設整備費補助金(防災機能強化施設整備事業)は、私立の高等学校等における防災機能の強化を図ることを目的として、校舎等の耐震補強工事等を行う学校法人に対して、当該事業に要する経費の一部を国が補助するものである。
この補助金の交付額は、校舎等の耐震補強工事等に係る経費を補助対象経費として、これに補助率3分の1以内を乗じて算定することとなっている。
本院が、4県の4学校法人において会計実地検査を行ったところ、次のような事態が見受けられた。
部局等 | 事業主体 | 補助事業 | 年度 | 補助対象経費 | 左に対する国庫補助金交付額 | 不当と認める補助対象経費 | 不当と認める国庫補助金 | 摘要 | |
千円 | 千円 | 千円 | 千円 | ||||||
(93) | 静岡県 | 学校法人静岡和洋学園 | 静岡女子高等学校体育館防災機能強化施設整備 | 18 | 69,770 | 22,913 | 4,902 | 1,610 | 補助の対象とならない工事費を補助対象経費に含めていたもの |
学校法人静岡和洋学園は、上記の事業として平成18年度に実施した耐震補強工事等に係る経費を対象として、補助対象経費を69,770,000円(国庫補助金22,913,000円)としていた。
しかし、同法人は、補助の対象である耐震補強工事とは全く関連がないフェンスの撤去等に係る工事費を補助対象経費に含めていた。
したがって、適正な工事費により補助対象経費を算定すると64,867,651円(国庫補助金21,303,000円)となり、国庫補助金1,610,000円が過大に交付されていて、不当と認められる。
このような事態が生じていたのは、同法人において補助対象経費についての理解が十分でなかったこと、県において実績報告書等に対する審査が十分でなかったことなどによると認められる。