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  • 平成21年度|
  • 第3章 個別の検査結果|
  • 第1節 省庁別の検査結果|
  • 第10 厚生労働省|
  • 不当事項|
  • 補助金

地域生活支援事業費補助金が過大に交付されていたもの


(11) 地域生活支援事業費補助金が過大に交付されていたもの

6件 不当と認める国庫補助金 22,189,000円

 地域生活支援事業費補助金(平成18年度は地域生活支援事業費等補助金。以下「補助金」という。)は、障害者自立支援法(平成17年法律第123号)等に基づき、障害者及び障害児の福祉の増進を図ることなどを目的として、都道府県が行う専門性が高い相談支援事業等の都道府県地域生活支援事業、市町村(特別区を含む。以下同じ。)が行う地域活動支援センター機能強化事業(以下「センター機能強化事業」という。)等の市町村地域生活支援事業等に要する費用について、その一部を国が補助するものである。
 センター機能強化事業は、地域活動支援センターの利用者に対して創作的活動等の機会の提供等地域の実情に応じた支援を行う基礎的事業に加えて、精神保健福祉士等の専門職員の配置により、医療・福祉及び地域の社会基盤等との連携強化のための調整等を行うものである。そして、事業の実施形態としては、市町村が自ら実施するほか、社会福祉法人等の事業者等に委託して実施することもできることとなっている。
 ただし、基礎的事業については、その財源は地方交付税により措置されていることから、補助金の交付対象とはならない。
 補助金の交付額は、交付要綱等に基づき、次のように算定することなどとなっている。
〔1〕  所定の方式によって算定した基準額と、対象経費の実支出額から寄附金その他の収入額を控除した額とを比較して少ない方の額を選定する。
〔2〕  〔1〕 により選定された額を補助対象事業費として、これに補助率100分の50を乗じて得た額を交付額とする。
 本院が、24都道府県の187市区町村において会計実地検査を行ったところ、5県の6事業主体において、補助金の算定に当たり、誤って対象外経費を計上するなどしていたため、補助金22,189,000円が過大に交付されていて、不当と認められる。
 このような事態が生じていたのは、事業主体において、補助対象事業費の算定に当たり、対象経費の実支出額の調査確認が十分でなかったこと、県において、提出された事業実績報告書の審査、確認が十分でなかったこと、厚生労働省において、事業主体に対する適正な事務処理の執行についての指導が十分でなかったことなどによると認められる。
 前記の事態について、事例を示すと次のとおりである。

<事例>

 鹿屋市は、対象経費の実支出額の算定に当たり、地域活動支援センターに係る事業を委託した法人が、基礎的事業のみ実施し、センター機能強化事業を行っていなかったのに、誤って、補助対象とはならない基礎的事業に係る経費を補助対象事業費に含めるなどしていた。
 この結果、補助対象事業費が平成19年度7,906,778円、20年度4,002,906円、計11,909,684円過大に算定されており、これに係る補助金19年度3,954,000円、20年度2,002,000円、計5,956,000円が過大に交付されていた。

 以上を県別・事業主体別に示すと次のとおりである。

県名 補助事業者
(事業主体)
年度 補助対象事業費 左に対する国庫補助金交付額 不当と認める補助対象事業費 不当と認める国庫補助金交付額 摘要
千円 千円 千円 千円
(517) 福島県 郡山市 18 112,926 56,463 9,134 4,568 対象外経費を計上していたものなど
(518) 栃木県 足利市 18 48,189 24,093 5,638 2,820 対象外経費を計上していたもの
(519) 三重県 津市 18 84,694 42,347 7,987 3,994
(520) 長崎県 長崎市 18 138,967 69,483 3,711 1,856 対象外経費を計上していたものなど
(521) 鹿児島県 鹿屋市 19、20 100,240 50,120 11,909 5,956
(522) 出水市 18、19 40,098 20,046 5,991 2,995
(517)—(522)の計 525,115 262,552 44,373 22,189