4件 不当と認める国庫補助金 17,490,244円
地域支援事業交付金(以下「交付金」という。)は、介護保険法(平成9年法律第123号)に基づき、被保険者が要介護状態又は要支援状態となることを予防するとともに、要介護状態等となった場合においても、可能な限り、地域において自立した日常生活を営むことができるよう支援することを目的として交付するものであり、市町村が行う介護予防事業、包括的支援事業及びその他の地域支援事業(以下、これを「任意事業」という。)に要する費用の一部を国が負担することとなっている。
交付金の交付額は、交付要綱等に基づき、次のとおり算定することとされている。
〔1〕 介護予防事業、包括的支援事業及び任意事業のそれぞれについて所定の方法により算定した基準額と、交付対象となっている経費(以下「対象経費」という。)の実支出額とを比較して少ない方の額と、総事業費から寄付金その他の収入額を控除した額とを比較して少ない方の額を選定する。
〔2〕 〔1〕 によりそれぞれの事業ごとに選定された額に介護予防事業については25/100、包括的支援事業及び任意事業については40.5/100を乗じて得た額の合計額を交付額とする。
介護予防事業のうち訪問型介護予防事業は、低栄養状態を改善するために特に必要と認められる者に対して、栄養改善プログラムの一環として配食の支援を実施するものとされている。また、任意事業のうち地域資源を活用したネットワーク形成に資する事業は、栄養改善が必要な高齢者(介護予防事業の対象者を除く。)に対して地域の社会福祉法人等が実施している配食の支援を活用し、高齢者の状況を定期的に把握するものとされている。そして、これらの事業を実施する場合の食材料費及び調理費相当分は利用者負担とされており、これらの経費については対象経費から除くこととされている。
本院は、28都道府県の333市区町村等において会計実地検査を行った。その結果、4県の4事業主体が平成18年度から20年度までの間に実施した配食の支援又はその支援を活用する事業において、利用者負担とされている調理費相当分を対象経費に含めるなどしていたため、交付金交付額計297,733,827円のうち計17,490,244円が過大に交付されていて、不当と認められる。
このような事態が生じていたのは、上記の4事業主体において交付要綱等の理解が十分でなかったこと、4県において事業主体から提出された実績報告書の審査、確認が十分でなかったことなどによると認められる。
これを県別・補助事業者(事業主体)別に示すと次のとおりである。
県名 | 補助事業者 (事業主体) |
年度 | 事業費 | 左に対する交付金交付額 | 不当と認める交付金交付額 | 摘要 | |
千円 | 千円 | 千円 | |||||
(550) | 千葉県 | 鎌ヶ谷市 | 18、19 | 88,947 | 34,452 | 3,226 | 対象経費外の調理費相当分を含めていたもの |
(551) | 神奈川県 | 藤沢市 | 20 | 423,252 | 151,448 | 3,222 | 対象経費を過大に算定していたもの |
(552) | 静岡県 | 磐田市 | 18、19 | 211,370 | 68,047 | 2,695 | 対象経費外の調理費相当分を含めていたもの |
(553) | 宮崎県 | 日向市 | 18、19 | 114,554 | 43,784 | 8,346 | 同 |
(550)—(553)の計 | 838,125 | 297,733 | 17,490 |