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  • 平成21年度|
  • 第3章 個別の検査結果|
  • 第1節 省庁別の検査結果|
  • 第10 厚生労働省|
  • 不当事項|
  • 補助金

介護給付費負担金が過大に交付されていたもの


(14) 介護給付費負担金が過大に交付されていたもの

11件 不当と認める国庫補助金 56,811,233円

 介護保険は、介護保険法(平成9年法律第123号)に基づき、市町村(特別区、一部事務組合及び広域連合を含む。以下同じ。)が保険者となって、市町村の区域内に住所を有する65歳以上の者等を被保険者として、加齢による疾病等の要介護状態等に関して、保健医療サービス及び福祉サービスの給付を行う保険である。
 介護保険については各種の国庫助成が行われており、その一つとして、市町村が行う介護保険事業運営の安定化を図るため、介護給付費負担金(以下「負担金」という。)が交付されている。
 毎年度の負担金の交付額は、「介護保険の国庫負担金の算定等に関する政令」(平成10年政令第413号)等に基づき、次により算定することとなっている。

介護給付及び予防給付に要する費用等の額×国の負担割合(施設等分15/100、その他分20/100)=交付額

 各算出要素については、次のとおりとされている。

ア 介護給付及び予防給付に要する費用等の額は、当該年度に、国民健康保険団体連合会(以下「国保連合会」という。)が審査決定した市町村負担分の居宅介護サービス費、施設介護サービス費、特定入所者介護サービス費等及び市町村が支払決定した高額介護サービス費、居宅介護住宅改修費等の介護給付並びに予防給付に要する費用の額(以下、これらを「介護給付費等」という。)に、国保連合会に対する審査支払手数料を加えた額とされている。

イ 国の負担割合は、介護給付費等の費用の区分に応じて、次のように定める割合とされている。
(ア) 施設等分は、介護給付費等のうち、施設介護サービス費、指定施設サービス等に係る特定入所者介護サービス費、特定施設入居者生活介護費等及び介護予防特定施設入居者生活介護に係る予防給付費であり、負担割合は15/100
(イ) その他分は、介護給付費等のうち、上記施設等分以外の介護給付費等であり、負担割合は20/100

 負担金の交付手続については、〔1〕 交付を受けようとする市町村は都道府県に交付申請書及び事業実績報告書を提出して、〔2〕 これを受理した都道府県は、その内容を添付書類により、また、必要に応じて現地調査を行うことにより審査の上、これを厚生労働省に提出して、〔3〕 厚生労働省はこれに基づき交付決定及び交付額の確定を行うこととなっている。
 本院が、28都道府県の314市区町村、4一部事務組合及び7広域連合において、平成18年度から20年度までに交付された負担金について会計実地検査を行ったところ、7県の10市町及び1広域連合において、介護給付費等について施設等分及びその他分の区分を誤り国の負担割合が高いその他分を過大に算定するなどして、負担金の交付額を過大に算定したため、負担金交付額計8,524,437,079円のうち計56,811,233円が過大に交付されていて、不当と認められる。
 このような事態が生じていたのは、上記の10市町及び1広域連合において法令等を十分に理解していなかったこと、上記の7県において事業実績報告書の審査、確認が十分でなかったことなどによると認められる。
 これを県別・交付先(保険者)別に示すと次のとおりである。

県名 交付先
(保険者)
年度 負担金交付額 不当と認める負担金交付額 摘要
千円 千円
(554) 埼玉県 児玉郡美里町 18 111,640 1,231 施設等分及びその他分の区分が誤っていたもの
(555) 神奈川県 小田原市 18 1,358,548 9,805 同
(556) 同 三浦市 18 479,870 4,307 同
(557) 同 秦野市 18、19 1,990,995 20,822 同
(558) 同 綾瀬市 18 355,262 2,559 同
(559) 滋賀県 彦根市 19、20 1,709,458 5,936 同
(560) 奈良県 北葛城郡河合町 18 154,675 1,263 同
(561) 徳島県 板野郡上板町 19、20 313,413 1,892 施設等分及びその他分の区分が誤っていたものなど
(562) 同 みよし広域連合 18、19 1,487,704 2,511 施設等分及びその他分の区分が誤っていたもの
(563) 福岡県 大川市 18 393,340 4,347 施設等分及びその他分の集計が誤っていたもの
(564) 鹿児島県 大島郡龍郷町 18、19 169,527 2,132 施設等分及びその他分の区分が誤っていたもの
(554)—(564)の計 8,524,437 56,811

 上記の事態については、厚生労働省は、従来発生防止に取り組んでいるところであるが、さらに、市町村に対して適正な交付申請等のための指導の徹底を図るとともに審査、確認の徹底を図るよう、都道府県に対して指示するなどの必要があると認められる。