3件 不当と認める国庫補助金 48,247,000円
地域介護・福祉空間推進交付金(夜間対応型訪問介護分)(以下「交付金」という。)は、地域における公的介護施設等の計画的な整備等の促進に関する法律(平成元年法律第64号)に基づき、民間事業者が実施する夜間対応型訪問介護の実施のために必要な事業に対して市町村(特別区を含む。以下同じ。)が補助する場合に要する費用等を対象として市町村に交付するものであり、市町村が作成した面的整備計画に記載された施設に係る経費が対象となっている。
交付金の交付対象となる経費は、交付要綱等に基づき、利用者の心身の状況等の情報を把握し、適時適切に利用者からの通報を受け付けることができる通信機器等の購入費、事業立ち上げの初年度に必要な車両等の購入費等とされている。そして、交付金の交付額は、対象経費の実支出額の合計額と基準額とを比較して少ない方の額と、総事業費から寄附金その他の収入額を控除した額の合計額とを比較して、少ない方の額とされている。
本院は、41市区の30事業主体において、平成18年度から20年度までに交付された交付金について会計実地検査を行った。その結果、18年度の交付金について、1市の3事業主体において、実績報告提出後、年度を越えて通信機器等が納品されるなどしていて対象とならない経費を計上したため、交付金48,247,000円が過大に交付されていて不当と認められる。
このような事態が生じていたのは、3事業主体において、事業の適正な実施に対する認識等が十分でなかったこと、市において実績報告等の審査、確認が十分でなかったことなどによると認められる。
前記の事態について、事例を示すと次のとおりである。
社会福祉法人それいゆは、平成18年度の交付金事業の実施に当たり、通信機器及び車両等をそれぞれ15,000,000円及び4,198,425円、計19,198,425円で購入したとする実績報告を19年3月に大牟田市に提出していた。
しかし、通信機器及び車両等いずれも、それぞれ実績報告提出後の19年10月及び19年12月以降に納品されていて、年度内に事業が完了していなかった。
したがって、本件交付金事業は、交付対象事業費が19,198,425円過大となっており、これに係る交付金相当額18,427,000円が過大に交付されていた。
なお、車両等については、実績報告提出後に新車から中古車に変更するなどして、実績報告を行った額より低額な1,524,429円で購入していた。
以上を事業主体別に示すと次のとおりである。
部局等 | 補助事業者 | 間接補助事業者 (事業主体) |
年度 | 交付対象事業費 | 左に対する交付金交付額 | 不当と認める交付対象事業費 | 不当と認める交付金交付額 | 摘要 | |
千円 | 千円 | 千円 | 千円 | ||||||
(573) | 九州厚生局 | 大牟田市 | 社会福祉法人それいゆ | 18 | 30,772 | 30,000 | 19,198 | 18,427 | 対象外経費を計上していたもの |
(574) | 同 | 同 | 社団法人大牟田医師会 | 18 | 30,000 | 30,000 | 15,000 | 15,000 | 同 |
(575) | 同 | 同 | 社会福祉法人東翔会 | 18 | 30,180 | 30,000 | 15,000 | 14,820 | 同 |
(573)—(575)の計 | 90,952 | 90,000 | 49,198 | 48,247 |