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  • 平成21年度|
  • 第3章 個別の検査結果|
  • 第1節 省庁別の検査結果|
  • 第10 厚生労働省|
  • 不当事項|
  • 補助金

介護労働者雇用改善援助事業等交付金が過大に交付されていたもの


(26) 介護労働者雇用改善援助事業等交付金が過大に交付されていたもの

1件 不当と認める国庫補助金 320,595,440円

 介護労働者雇用改善援助事業等交付金(以下「交付金」という。)は、介護労働者の雇用管理の改善等に関する法律(平成4年法律第63号、以下「法」という。)に基づき、介護労働者について、その雇用管理の改善、能力の開発及び向上等に関する措置を講ずることにより、介護業務に係る労働力の確保に資することなどを目的として、財団法人介護労働安定センター(以下「センター」という。)に対して、法第18条第1項に規定する雇用安定事業等関係業務の実施に要する経費(以下「交付対象経費」という。)の全部又は一部を国が予算の範囲内において交付するものである。
 交付金の対象事業は、交付要綱等により、介護労働者の雇用の安定並びに能力の開発及び向上を図るための措置について、事業主等に対して相談、援助を行うなどの雇用安定事業等(以下「交付金事業」という。)とされている。
 本院が、交付金についてセンターにおいて会計実地検査を行ったところ、次のような事態が見受けられた。

部局等 補助事業者
(事業主体)
年度 交付対象経費 左に対する交付金交付額 左のうち不当と認める交付金交付額 摘要
千円 千円 千円
(602) 厚生労働本省 財団法人介護労働安定センター 16〜20 18,934,218 18,934,218 320,595 補助金の過大交付

 センターは、平成16年度から20年度までの間に、交付金事業以外の業務としてセンターが実施している福祉共済事業等(以下「自主事業」という。)に従事していた職員等に係る人件費や自主事業で使用している事務所部分に係る事務所借料等計319,144,210円を交付対象経費に含めていた。また、20年度にセンターの職員1名が不正な経理処理を行って領得した計1,451,230円が交付対象経費に含まれていた。
 したがって、適正な交付対象経費を算定すると計18,613,623,025円となることから、交付対象経費との差額計320,595,440円が過大に交付されていて不当と認められる。
 このような事態が生じていたのは、センターにおいて、交付金の適正な会計経理に対する認識が欠けていたこと、厚生労働省において、センターから提出された事業実績報告書等の審査、確認及びセンターに対する指導が十分でなかったことなどによると認められる。