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  • 平成21年度|
  • 第3章 個別の検査結果|
  • 第1節 省庁別の検査結果|
  • 第11 農林水産省|
  • 不当事項|
  • 補助金|
  • 補助事業の実施及び経理が不当と認められるもの|
  • (2) 補助対象事業費を過大に精算するなどしていたもの

新農業水利システム保全対策事業の事業費を過大に精算していたもの


新農業水利システム保全対策事業の事業費を過大に精算していたもの

(1件 不当と認める国庫補助金 16,149,064円)

  部局等 補助事業者等 間接補助事業者等 補助事業等 年度 事業費 左に対する国庫補助金等交付額 不当と認める事業費 不当と認める国庫補助金等相当額
            千円 千円 千円 千円
(621) 東北農政局 岩手県 胆沢平野土地改良区
(事業主体)
新農業水利システム保全対策 16〜20 47,700 47,700 16,149 16,149
  部局等 補助事業者等 間接補助事業者等 補助事業等 年度 事業費 左に対する国庫補助金等交付額 不当と認める事業費 不当と認める国庫補助金等相当額

 この補助事業は、胆沢平野土地改良区(岩手県奥州市所在)が、茂井羅、茂井羅南、寿安、西南部、穴山各地区において、農業水利施設等の機能診断、水利用と管理の在り方の技術的検討及び農業水利システム保全計画の作成を実施したものである。
 同土地改良区は、本件補助事業の実施に当たり、平成16年度から18年度までの間は上記の5地区、19年度は茂井羅地区、20年度は茂井羅、寿安両地区において、その事業費として、同土地改良区の職員が本件補助事業に従事した人日数に係る給料、諸手当等の人件費を含めて計47,700,000円を要したとして、岩手県に実績報告を行っていた。そして、同土地改良区は、これに対して同県から同額の県補助金の交付を受けており、同県は、これについて同額の国庫補助金の交付を受けていた。
 しかし、上記の職員が本件補助事業に従事した人日数には、職員が補助事業以外の業務に従事していたり、休暇を取得していたりなどしている日が含まれていた。
 したがって、本件補助事業に実際に従事していた人日数により適正な事業費を算定すると計31,550,936円となることから、上記の事業費計47,700,000円との差額計16,149,064円が過大に精算されていて、これに係る国庫補助金計16,149,064円が不当と認められる。
 このような事態が生じていたのは、同土地改良区において、補助事業の適正な実施に対する認識が十分でなかったこと、同県において、完了確認の際の審査、確認が十分でなかったことなどによると認められる。