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  • 平成21年度|
  • 第3章 個別の検査結果|
  • 第1節 省庁別の検査結果|
  • 第11 農林水産省|
  • 平成20年度決算検査報告掲記の意見を表示し又は処置を要求した事項の結果

貸付けを行っている国有農地等の管理について


(1) 貸付けを行っている国有農地等の管理について

(平成20年度決算検査報告参照)

1 本院が求めた是正改善の処置

 農林水産省は、自作農創設等のために買収して国有農地等とした農地等の管理を、農地法(昭和27年法律第229号)等に基づき都道府県知事に委託しており、都道府県知事は、管理している国有農地等の一部を貸し付けて使用料を徴収している。しかし、国有農地等の借受人が長期間にわたって使用料を滞納して滞納額が多額に上っていたり、貸付条件に違反して国有農地等を無断転貸するなどしたりしているのに、5都道県の知事が国有財産貸付契約解除通知書による解除をしていないなどの事態が見受けられた。
 したがって、農林水産省において、国有財産貸付契約解除通知書による解除を行う場合の基準、手続等(以下「解除基準等」という。)を明確に定めるとともに、都道府県知事が、滞納額を収納するための体制整備を図ったり、借受人による国有農地等の使用実態を把握するために適宜見回り等を行ったり、借受人に耕作状況報告書又は転用借受状況報告書を適切に提出させたり、貸付条件に違反した行為を行っている借受人に対して解除基準等に基づき厳正に対処したりするなどの処置を講ずるよう、農林水産大臣に対して平成21年10月に、会計検査院法第34条の規定により是正改善の処置を求めた。

2 当局が講じた処置

 本院は、農林水産本省において、その後の処置状況について会計実地検査を行った。
 検査の結果、農林水産省は、本院指摘の趣旨に沿い、21年10月に関係通知を改正するなどして、解除基準等を明確に定めるとともに、都道府県知事に対し、契約案件ごとに債権の保全等の処理計画を作成して当該計画により徴収事務の管理を行うなど滞納額を収納するための体制を整備したり、貸し付けた国有農地等について適宜見回り等を行ったり、使用料徴収等の機会を利用して借受人に耕作状況報告書又は転用借受状況報告書を提出させることとしたり、解除基準等に基づき事務を適正に処理したりなどすることを求めるなどの処置を講じていた。