地域イノベーション創出共同体形成事業で購入した一部の機械装置等が補助の目的を達していないもの
(2件 不当と認める国庫補助金 14,424,468円)
部局等 | 補助事業者 (所在地) |
間接補助事業者 (所在地)
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補助事業 | 年度 | 事業費 (補助対象事業費)
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左に対する国庫補助金交付額 | 不当と認める補助対象事業費 | 不当と認める国庫補助金相当額 | |
千円 | 千円 | 千円 | 千円 | ||||||
(701) | 北海道経済産業局 | 財団法人北海道科学技術総合振興センター(札幌市) 〈事業主体〉 |
— | 地域イノベーション創出共同体形成 | 20 | 245,838
(245,838) |
245,838 | 9,854 | 9,854 |
(702) | 関東経済産業局 | 独立行政法人産業技術総合研究所(東京都千代田区) 〈事業主体〉 |
— | 地域イノベーション創出共同体形成 | 20 | 115,312
(115,312) |
115,312 | 4,569 | 4,569 |
(701)(702)の計 | 361,151
(361,151) |
361,151 | 14,424 | 14,424 |
これらの補助事業は、地域経済の活性化等を図るため、地域のイノベーションを担う大学や公設試験研究機関(注1)
等が参加する広域的連携組織の形成を通じ、各研究機関等が保有する人材、試験研究機器、研究成果等の研究開発資源の相互活用に取り組むもので、共同体形成促進事業、技術支援協働事業及び研究開発環境支援事業の3事業がある。このうち研究開発環境支援事業は、企業の技術課題の解決に資する試験・評価・分析方法を研究により確立し、マニュアル化するとともに、その方法を用いて技術支援を行うことで研究開発資源の活用促進を図るものであり、これに必要な設備物品費等が補助の対象とされている。
2事業主体は、上記の事業の実施に当たり、機械装置等をそれぞれ174,498,870円、78,656,245円で購入したとして、同額の国庫補助金の交付を受けていた。
しかし、財団法人北海道科学技術総合振興センターが企業の技術課題の解決に資するマニュアルの作成やそれを用いた技術支援を実施するために必要であるとして購入した機械装置等のうちガスクロマトグラフ(注2)
やモバイルパソコン等(購入費計9,854,490円)は、取得後、この目的のために利用されておらず、一部は通常業務の事務処理に使用されていた。また、独立行政法人産業技術総合研究所がマニュアルの作成のための公設試験研究機関との打合せなどのために必要であるとして購入したテレビ会議システム一式12台(購入費計4,569,978円)は、取得後、全く使用されていなかったり、補助の目的とは関係のない会議、連絡等に使用されたりなどしていた。
したがって、上記の機械装置等は補助の目的を達しておらず、これらに係る国庫補助金交付額計14,424,468円が不当と認められる。
このような事態が生じていたのは、2事業主体において、補助事業の適正な執行に対する理解が十分でなかったこと、北海道、関東両経済産業局において、事業主体に対する指導、審査及び確認が十分でなかったことなどによると認められる。
(注1) | 公設試験研究機関 地元企業に対する技術支援を行う目的で都道府県等の地方公共団体が設置した機関であり、主に地元企業を対象に、技術指導、依頼に基づく分析試験、保有する機器等の利用開放、研修生の受入れ等を実施している。
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(注2) | ガスクロマトグラフ 試料中の各成分の含有量を測定する分析装置
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