一般に利用できる研修用機材の利用を検討しないまま研修用機材を購入するなどしていたもの
(1件 不当と認める国庫補助金 5,814,367円)
部局等 | 補助事業者 (所在地) |
間接補助事業者 (所在地)
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補助事業 | 年度 | 事業費 (補助対象事業費)
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左に対する国庫補助金交付額 | 不当と認める補助対象事業費 | 不当と認める国庫補助金相当額 | |
千円 | 千円 | 千円 | 千円 | ||||||
(705) | 九州経済産業局 | 財団法人長崎県産業振興財団(長崎県長崎市) 〈事業主体〉 |
— | 人材養成等支援 | 20 | 41,887
(41,887) |
41,887 | 5,814 | 5,814 |
人材養成等支援事業は、地域経済の自立的発展の基盤の強化を図るため、事業主体が都道府県等と連携して企業立地又は事業高度化につながる地域の人材養成等を行うものであり、事業の実施に係る人件費、旅費、研修の実施に要する経費等が補助の対象経費とされている。
この補助事業の事業主体は、研修用機材(以下「機材」という。)を購入して、これを高等専門学校に設置し、当該高等専門学校において研修を実施するとした事業の実施計画を策定し、この実施計画に基づいて研修を実施して、平成20年度に国庫補助金41,887,160円(補助対象事業費同額)の交付を受けていた。
しかし、事業主体は、上記のとおり、高等専門学校を研修の実施箇所としたため、授業等が行われない休日等のみが研修の実施日となっていて、機材の利用は年間に数日程度となっていた。
一方、上記機材のうちセラミック材料応用技術研修に利用するとして購入したガスクロマトグラフ(注)
等3点(購入費4,939,200円)と同種の機材が県内の窯業に関する産業支援を担ってきた県立の研究機関において、一般に利用できる設備として開放されており(以下、この設備を「開放設備」という。)、事業主体は、人材養成研修等を多数実施してきている同研究機関において、所定の利用料を支払うことにより、これらの開放設備を利用して研修を実施することが可能な状況となっていた。
このように、事業主体は、セラミック材料応用技術研修について、開放設備を利用することができたのに、その検討を全く行うことなく機材を購入し、これを研修の実施日が限定される高等専門学校に設置して研修を実施していたのは適切とは認められない。
また、上記のほか情報処理技術者試験資格取得研修等に利用するとして購入したノート型パソコン5台(購入費969,247円)は、私的に利用されるなどしていた。
したがって、前記機材の購入費から開放設備を利用した場合の利用料94,080円を控除するなどして、国庫補助金額を算定すると36,072,793円となり、前記の国庫補助金交付額41,887,160円との差額5,814,367円が不当と認められる。
このような事態が生じていたのは、事業主体において、補助事業の経済的、効率的な執行に対する理解が十分でなかったこと、九州経済産業局において、事業主体に対する指導、審査及び確認が十分でなかったことなどによると認められる。