空港用地の使用料等の算定が適切でなかったため、旅客ターミナルビル会社等に納付させた使用料等が低額となっているもの
(733) 空港用地の使用料等の算定が適切でなかったため、旅客ターミナルビル会社等に納付させた使用料等が低額となっているもの
会計名及び科目 |
社会資本整備事業特別会計(空港整備勘定) |
(款)雑収入 |
(項)雑収入 |
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平成19年度以前は、 |
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空港整備特別会計 |
(款)雑収入 |
(項)雑収入 |
部局等 |
大阪航空局 |
空港用地の使用許可等の概要 |
旅客ターミナルビル敷地等として空港用地の使用を許可し、又は駐車 場敷地として空港用地を貸し付けるもの |
使用許可等の相手方 |
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使用許可等 |
(1) |
使用許可 |
平成17年3月〜21 年3月 |
(2) |
貸付契約 |
平成17年10月 |
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使用料等 |
(1) |
使用料 |
49,950,051円 |
(平成18年度〜21年度) |
(2) |
貸付料 |
135,861,640円 |
(平成18年度〜21年度) |
計 |
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185,811,691円 |
(平成18年度〜21年度) |
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低額となっている使用料等 |
(1) |
使用料 |
3520万 |
(平成18年度〜21年度) |
(2) |
貸付料 |
2億0950万 |
(平成18年度〜21年度) |
計 |
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2億4470万 |
(平成18年度〜21年度) |
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1 空港用地の使用料等の概要
(1) 使用許可等の概要
大阪航空局は、平成18年3月に供用を開始した北九州空港において、17年3月から21年3月までの間に、北九州エアターミナル株式会社等4者(注1)
に対して、国有財産法(昭和23年法律第73号)に基づき、旅客ターミナルビル及び付帯施設敷地等(注2)
(以下「旅客ターミナルビル敷地等」という。)として空港用地(面積19,202.6m2
〜19,634.1m2
)の使用を許可しており、18年度から21年度までの使用に係る使用料として計49,950,051円を納付させている。
また、同局は、北九州空港の駐車場の整備、運営及び維持管理を「民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律」(平成11年法律第117号)に基づくPFI事業(注
3)
として実施することとし、17年5月に、株式会社合人社計画研究所との間で新北九州空港駐車場整備等事業契約を締結している。そして、同局は、同年10月に、上記の契約に基づき、駐車場及びその他付帯施設敷地(以下「駐車場敷地」という。)として空港用地(面積51,030.2m2
)の貸付契約を同社との間で締結しており、18年度から21年度までの貸付けに係る貸付料として計135,861,640円を納付させている(以下、使用料と貸付料を合わせて「使用料等」という。)。
(2) 使用料等の算定
国土交通省は、18年の改定前の空港土地等使用料算定要領(平成18年国土交通省航空局監理部予算管理官通達。以下「使用料算定要領」という。)により、17年度までは、相続税評価額を基準として空港用地の使用料を定めることとしていたが、18年度以降は、改定後の使用料算定要領により、5年に1回使用料の鑑定を行うとともに、鑑定を行った次年度以降4年間を限度として、当該鑑定評価額に変動率を乗じて各年度の使用料を算定することとしている。そして、この18年度における改定に向けて、17年度に不動産鑑定評価会社に委託して、国が管理する空港の空港用地について、鑑定評価を行っている。
また、大阪航空局は、駐車場敷地の貸付料について、同局が18年に定めた「新北九州空港駐車場整備等事業土地貸付料算定要領」に基づき、上記の使用料の算定と同様に使用料算定要領を用いて算定することとしている。
2 検査の結果
本院は、本件使用許可及び貸付契約について、経済性等の観点から、使用料等の算定が適切に行われているかなどに着眼して、大阪航空局において、使用料算定調書等の書類により会計実地検査を行った。
検査したところ、次のとおり適切でない事態が見受けられた。
大阪航空局は、18年度以降、17年度に算定した旅客ターミナルビル敷地等及び駐車場敷地(以下「敷地」という。)の鑑定評価額に各年度の変動率を乗ずるなどして使用料等を算定していた。
しかし、この鑑定評価額は、北九州空港の供用開始前における収益性のない工事中の用地として減価率を乗じて査定された価額であることから、空港供用開始後における収益性を有する空港用地としての評価に基づく価額と比較して著しく低いものとなっていて、これを基に18 年度以降の使用料等を算定していたことは適切とは認められない。
したがって、本件敷地に係る18年度から21年度までの使用料等について、収益性を有する空港用地としての評価に基づく鑑定評価額に、変動率を乗ずるなどして修正計算すると、計430,611,430円となることから、本件使用料等合計額185,811,691円はこれに比べて約2億4470万円(うち使用料約3520万円、貸付料約2億0950万円)低額となっていて、不当と認められる。
このような事態が生じていたのは、大阪航空局において、本件敷地の使用料等の算定に当たり、算定の基となる鑑定評価額の評価内容を的確に把握していなかったことなどによると認められる。
- (注1)
- 北九州エアターミナル株式会社等4者 北九州エアターミナル株式会社、北九州市、九州電力株式会社、西日本電信電話株式会社
- (注2)
- 旅客ターミナルビル及び付帯施設敷地等 旅客ターミナルビル及び付帯施設敷地、北九州市消防局消防航空隊基地敷地、電力管路埋設敷地、電気通信設備設置敷地
- (注3)
- PFI事業 公共施設等の建設、維持管理、運営等を民間の資金、経営能力及び技術的能力を活用して行う事業。PFIはPrivateFinanceInitiativeの略