所定の効果を達成していなかったため、補助の対象とならないもの
所定の効果を達成していなかったため、補助の対象とならないもの
(1件 不当と認める国庫補助金 1,000,000円)
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部局等 |
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補助事業等 |
年度 |
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左に対する国庫補助金等交付額 |
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不当と認める国庫補助金等相当額 |
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千円 |
千円 |
千円 |
千円 |
(746)
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国土交通本省 (支出・審査庁)、北海道運輸局(審査庁)
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グランプリ流通サービス株式会社
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中小トラック事業者構造改善支援
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21 |
2,274 (2,274) |
1,000 |
2,274 (2,274) |
1,000 |
この補助事業は、グランプリ流通サービス株式会社が、トラックの燃費の向上を図り、環境の保全とトラック事業の構造改善による地域の活性化とを図ることを目的とする中小トラック事業者構造改善支援事業として、社内講習等を行ってトラックの運行に係る燃料消費量の削減に取り組む事業を事業費2,274,543円(国庫補助金1,000,000円)で実施したものである。
低公害車普及促進等対策費補助金交付要綱(平成21年国自総第534号、国自旅第357号、国自貨第165号)によると、中小トラック事業者構造改善支援事業は、燃料消費量をおおむね5%以上削減することを目指す計画を定め、実証実験を行ってその効果を検証するものとされており、国土交通省が作成したマニュアルによると、燃料消費量を実験前の期間との比較で4%以上削減するという効果が達成されていることが必要であるとされている(以下、実証実験の期間を「実験期間」といい、実験期間との比較の対象とされる期間を「比較対象期間」という。)。そして、同省は、実証実験の結果、燃料消費量の4%以上削減の効果が達成されているかを実績報告書により審査し、効果が達成されていれば国庫補助金を交付し、達成されていなければ交付しないこととしている。
同会社は、実証実験の結果、実験期間の燃料消費量は24,314.2L、比較対象期間の燃料消費量は25,361.0Lであり、燃料消費量を4.1%削減したとする実績報告書を提出し、国庫補助金1,000,000円の交付を受けていた。
しかし、同会社は、実験期間を平成21年9月1日から同月30日までの30日間としていた一方、比較対象期間を20年7月1日から同月31日までの31日間としており、両者の日数が異なっていた。また、実験期間及び比較対象期間それぞれの燃料消費量について、計上漏れなどの誤りがあった。そこで、比較対象期間の燃料消費量を30日間分に換算するなどして修正計算すると、燃料消費量の削減率は2.5%となった。
したがって、本件補助事業は、所定の効果が達成されていなかったため、補助の対象とならないものであり、これに係る国庫補助金1,000,000円が不当と認められる。
このような事態が生じていたのは、同会社において補助事業の適正な実施に対する認識が十分でなかったこと、国土交通本省及び北海道運輸局において実績報告書の審査が十分でなかったことによると認められる。