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  • 平成21年度|
  • 第3章 個別の検査結果|
  • 第1節 省庁別の検査結果|
  • 第13 国土交通省|
  • 不当事項|
  • 補助金|
  • 補助事業の実施及び経理が不当と認められるもの

下水道用地を承認を受けずに貸し付けるなどし、貸付料等に係る国庫納付を行っていなかったもの


(5) 補助事業により取得した財産の処分に係る手続が適正でなかったもの

2件 不当と認める国庫補助金 657,099,040円

下水道用地を承認を受けずに貸し付けるなどし、貸付料等に係る国庫納付を行っていなかったもの

(2件 不当と認める国庫補助金交付額等 657,099,040円)

 補助事業者は、補助事業により取得した財産を補助金の交付の目的に反して使用したり、貸し付けたりなどするときは、補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律(昭和30年法律第179号。以下「法」という。)第22条の規定により、当該補助事業を所掌する各省各庁の長の承認を受けなければならないこととされている。
 終末処理場等の下水道用地については、流入下水量に応じて施設の整備を段階的に行うなどのため、取得後相当期間未利用となったり、地下構造物の地上部を下水道以外の施設に使用することができたりなどすることから、国土交通省は、地域の活性化等に資するため、一定の条件に該当する場合には、下水道事業に利用するまでの間等において、本来の目的を妨げない範囲で、それらの用地(以下「未利用地等」という。)を下水道事業以外の用途に使用することを認めることとしている。そして、有償で貸し付け、又は使用させるなど(以下、これらの行為を「有償貸付等」という。)により収益が見込まれる場合においては、「都市・地域整備局所管補助事業等に係る財産処分承認基準について」(平成20年12月22日国都総第2449号国土交通省都市・地域整備局長通知)等により、貸付料、使用料等(以下、これらを合わせて「貸付料等」という。)のうち国庫補助金相当額(貸付料等に用地取得時の補助率を乗じて算出される額。以下同じ。)の国庫納付を行うことを条件とすることとしている。
 本院が会計実地検査を行ったところ、東京都及び福岡市において、補助事業により取得した下水道用地の未利用地等(事業費計963,910,328円、国庫補助対象事業費計963,910,304円)について、国土交通大臣(平成13年1月5日以前は建設大臣。以下同じ。)の承認を受けずに有償貸付等を行っていた。また、これにより収納した貸付料等のうち国庫補助金相当額の国庫納付を行っていなかった。
 したがって、これらの事業費に係る国庫補助金交付額計522,324,354円及び有償貸付等により収納した貸付料等のうち国庫補助金相当額計134,774,686円、計657,099,040円が不当と認められる。
 このような事態が生じていたのは、都及び同市において、補助事業で取得した下水道用地の有償貸付等に当たって、法等に基づき適正な手続をとるべきことの認識が欠如していたことなどによると認められる。
 これを事業主体別に示すと次のとおりである。

  部局等
補助事業者等
(事業主体)
補助事業等 年度
事業費
(国庫補助対象事業費)
左に対する国庫補助金等交付額
不当と認める事業費
(国庫補助対象事業費)
不当と認める国庫補助金等相当額
        年度 有償貸付等により収納した貸付料等 左のうち国庫補助金相当額 不当と認める貸付料等 不当と認める国庫補助金相当額
          千円 千円 千円 千円
(755) 東京都 東京都 下水道 昭和48、56 19,563,081
(19,563,081)
10,687,255 868,510
(868,510)
465,473
        昭和62〜平成21 178,580 83,494 178,580 83,494
              548,968

 東京都は、本件補助事業により、昭和48年度に、砂町水再生センター用地の一部として土地85,995.8m を、また、56年度に、蔵前水再生センター用地の一部として土地17,755.0m をそれぞれ取得していた。都は、砂町水再生センターの未利用地等において、62年4月から、時期により993.3m から2,963.4m を民間会社に対して駐車場用地として、さらに、平成20年9月から、時期により1,060.0m から1,604.1m を都の福祉保健局に対して路上生活者緊急一時保護センター等用地として、また、蔵前水再生センターの未利用地等において、10年7月から、761.7m を上記の民間会社に対して駐車場用地として、それぞれ有償貸付等を行っていた。そして、21年度までに、砂町水再生センターで118,269,228円、蔵前水再生センターで60,311,279円、計178,580,507円の貸付料等を収納していた。
 しかし、都は、これらの未利用地等計5,329.3m (事業費計868,510,468円、国庫補助対象事業費計868,510,444円、国庫補助金計465,473,874円)について、国土交通大臣の承認を受けずに有償貸付等を行っており、また、これにより収納した貸付料等のうち国庫補助金相当額(計83,494,442円)の国庫納付を行っていなかった。

  部局等
補助事業者等
(事業主体)
補助事業等 年度
事業費
(国庫補助対象事業費)
左に対する国庫補助金等交付額
不当と認める事業費
(国庫補助対象事業費)
不当と認める国庫補助金等相当額
        年度 有償貸付等により収納した貸付料等 左のうち国庫補助金相当額 不当と認める貸付料等 不当と認める国庫補助金相当額
          千円 千円 千円 千円
(756) 福岡県 福岡市 下水道 昭和34、52〜54 122,924
(122,924)
66,025 95,399
(95,399)
56,850
        昭和63〜平成21 91,642 51,280 91,642 51,280
              108,130

 福岡市は、本件補助事業により、昭和34年度に、梅光園ポンプ場用地として土地1,826.0m を、また、52年度から54年度までの間に、三宅ポンプ場用地として土地1,701.7m をそれぞれ取得していた。同市は、平成元年4月から、梅光園ポンプ場の未利用地等92.0m を同市こども未来局に対して保育園の屋外遊戯場用地として、また、昭和63年4月から、三宅ポンプ場の未利用地等1,701.7m を同市南区に対して放置自転車の保管所用地として、それぞれ有償貸付等を行っていた。そして、平成21年度までに、梅光園ポンプ場で13,895,496円、三宅ポンプ場で77,747,360円、計91,642,856円の貸付料等を収納していた。
 しかし、同市は、これらの未利用地等計1,793.7m (事業費計95,399,860円、国庫補助金計56,850,480円)について、国土交通大臣の承認を受けずに有償貸付等を行っており、また、これにより収納した貸付料等のうち国庫補助金相当額(計51,280,244円)の国庫納付を行っていなかった。

(755)(756)の計 19,686,006
(19,686,005)
10,753,281 963,910
(963,910)
522,324
          270,223 134,774 270,223 134,774
              657,099