(平成20年度決算検査報告 参照)
河川管理者は、河川改修事業を実施するために必要な土地を取得しているが、長期間工事に未着手となっている事業用地の面積が膨大なものとなっている。これらのうち5年以上工事に未着手となっている事業用地についてみたところ、旧地権者等に無断で使用されていたり、公共の目的等のために活用されていなかったりしている事態が見受けられた。
したがって、国土交通省において、河川改修事業における工事に未着手となっている事業用地について、事業主体に対して、巡視や無断使用者に対する是正の指導等を行うなどの適切な管理が行われるよう指導を行い、これを周知徹底したり、活用に対する認識、理解等を促し、かつ、工事着手までの間の事業用地の活用に資するものとなるように、活用についての基準等を示したりするよう、国土交通大臣に対して平成21年10月に、会計検査院法第34条の規定により是正の処置を要求し及び是正改善の処置を求め、並びに同法第36条の規定により意見を表示した。
本院は、国土交通本省において、その後の処置状況について会計実地検査を行った。
検査の結果、国土交通省は、本院指摘の趣旨に沿い、次のような処置を講じていた。
ア 21年11月に各地方整備局等及び都道府県等に対して事務連絡を発して、河川改修事業における工事に未着手となっている事業用地について、適切な管理が行われるよう巡視や無断使用者に対する是正の指導等を行うなどの管理方法を通知するとともに、22年4月の全国補助河川事業等担当者会議等においてその内容を周知徹底した。
イ 21年11月に各地方整備局等及び都道府県等に対して事務連絡を発して、有効な利用が行われるよう利用についての基準や必要な手続等を通知した。