(平成20年度決算検査報告 参照)
国土交通省は、国道管理の一環として路面下空洞調査業務を実施している。しかし、平成20年度に実施した路面下空洞調査業務において、当該業務で求める成果の内容を明確にしていなかったり、一次調査のすべての探査データの提出を求めていなかったり、価格面の競争を取り入れた契約方式を導入していなかったり、調査業務に要した費用の増額に伴い占用企業者(地下埋設物を設置している企業等)に対して求める負担金の増額の変更協議を年度内に速やかに行っていなかったりしている事態が見受けられた。
したがって、国土交通省において、抽出すべき異常箇所の具体的な抽出基準等を定めるなどして、調査業務で求める成果の内容を明確にしたり、一次調査の探査データのすべてを契約上の成果品として提出させることとしたり、価格面の競争を取り入れた契約方式を導入したりするとともに、調査業務の費用の増額に伴って各占用企業者の負担額に不足が生じた場合には、不足額の追徴に向けた協議を速やかに行うよう各地方整備局等に対して周知するなどの処置を講ずるよう、国土交通大臣に対して21年10月に、会計検査院法第36条の規定により改善の処置を要求し及び同法第34条の規定により是正改善の処置を求めた。
本院は、国土交通本省において、その後の処置状況について会計実地検査を行った。
検査の結果、国土交通省は、本院指摘の趣旨に沿い、次のような処置を講じていた。
ア 21年度に発注する業務から、一次調査の結果に基づく抽出すべき異常箇所の判定は、地方整備局等が設ける「判定会議」で行うこととして調査業務で求める成果の内容を明確にしたり、一次調査のすべての探査データを成果品として提出させたり、総合評価落札方式を導入することにより、価格面の競争を取り入れたりした。
イ 21年9月に地方整備局等に対して事務連絡を発して、調査業務の費用の増額に伴って、各占用企業者の負担額に不足が生じた場合には、不足額の追徴に向けた協議を速やかに実施するよう周知した。