部局等 | 補助事業者 (事業主体) |
補助事業等 | 年度 | 事業費 (国庫補助対象事業費) |
左に対する国庫補助金等交付額 | 不当と認める事業費 (国庫補助対象事業費) |
不当と認める国庫補助金等相当額 |
(823)環境本省 | NTTファイナンス株式会社 学校法人兵庫医科大学 |
二酸化炭素排出抑制対策 | 18 | 千円 270,000 (270,000) |
千円 90,000 |
千円 9,784 (9,784) |
千円 3,262 |
この補助事業は、学校法人兵庫医科大学(以下「兵庫医科大学」という。)がNTTファイナンス株式会社(以下「NTTファイナンス」という。)と共同で、兵庫医科大学の西宮キャンパスにおいて、自主的に設定した二酸化炭素排出削減目標の達成のために、医学部や大学病院等の冷暖房等に利用する既存のボイラー、冷温水ポンプ等を高効率の設備に更新したものである。
「二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金(民間団体)交付要綱(平成15年10月環境大臣通知)」及び「温室効果ガスの自主削減目標設定に係る設備補助事業公募要領」によると、リースを利用して設備の整備を行う場合は、設備の所有者となるリース事業者が代表事業者として当該設備の整備事業について国庫補助金の交付申請等を行って国庫補助金の交付を受け、設備を実際に使用する共同事業者が二酸化炭素の排出削減に取り組むこととされている。そして、補助対象事業費は、設備の整備を行うために必要な本工事費、付帯工事費等とされ、既存設備の撤去費は補助対象外となっている。
本件事業の実施に当たり、NTTファイナンスは、兵庫医科大学との間でリース契約を締結し、同大学が決定した設備の規格、仕様等並びに施工業者及び工事費に基づき、設備工事を工事費270,000,000円で施工業者に発注して設備を買い取るとともに、代表事業者として、その工事費と同額を補助対象事業費として実績報告を行い、国庫補助金90,000,000円の交付を受けていた。
本件設備の整備に当たり、兵庫医科大学は、当初、既存設備の撤去を上記の設備工事とは別の契約により行う予定であったが、設備工事の施工業者が同大学とかねて取引のある業者であったことなどから、この業者に対して、NTTファイナンスが発注した設備工事の中で既存設備の撤去を行うよう要請し、施工業者は、この要請に応じて、既存設備の撤去の費用9,784,725円を含めて前記の工事費270,000,000円で設備工事を行っていた。
しかし、兵庫医科大学は、上記の事実を代表事業者であるNTTファイナンスに報告しておらず、このため、NTTファイナンスは、上記の事実を認識しないまま、前記のとおり本件設備工事の実績報告を行っていた。
したがって、本件補助対象事業費には、補助対象外である既存設備の撤去費9,784,725円が含まれており、これに係る国庫補助金相当額3,262,000円が過大に交付されていて不当と認められる。
このような事態が生じていたのは、兵庫医科大学において、補助事業の適正な実施及び経理に対する認識が十分でなかったこと、NTTファイナンスにおいて、代表事業者として実績報告を行うに当たり工事費に既存設備の撤去費が含まれていないかどうかを十分確認しなかったことなどによると認められる。