(1件 不当と認める国庫補助金 29,578,575円) (注1)
部局等 | 補助事業者 (事業主体) |
補助事業等 | 年度 | 基金使用額 | 左に対する国庫補助金等交付額 | 不当と認める基金使用額 | 不当と認める国庫補助金等相当額 |
(824)環境本省 | 一般社団法人環境パートナーシップ会議 | グリーン家電普及促進 | 21 | 千円 (注1) 6,761,771 |
千円 (注1) 6,761,771 |
千円 (注1) 29,578 |
千円 (注1) 29,578 |
この補助事業は、省エネ性能の高い家電製品(以下「グリーン家電」という。)の普及促進を通じた地球温暖化対策の推進、経済の活性化及び地上デジタル放送対応テレビの普及を図ることを目的として、一般社団法人環境パートナーシップ会議(以下「基金設置法人」という。)が、グリーン家電の購入に対してエコポイントを付与するなどのグリーン家電普及促進事業(以下「グリーン家電事業」という。)の実施に要する費用に充てるため、グリーン家電普及促進基金(以下「基金」という。)を造成するものである。
基金設置法人は、グリーン家電事業の実施をエコポイント事務局(以下「事務局」という。)に委託している。事務局は、幹事会社及び5会社により構成されており、同事業に係る申請書類の受付・審査業務、コールセンター業務等の各種業務を行っている。
基金設置法人が行う事務局に対する委託費の支払については、原則として月次精算とすることとなっている。そして、委託費のうち、事務局の各構成会社が業務に要した費用(以下「事務局費用」という。)については、毎月、幹事会社が各構成会社の前月分の費用の請求を取りまとめ、これに各構成会社からの当該請求を証明する書類を添えるなどして、基金設置法人に請求し、基金設置法人は、その請求の内容を審査、確認して、環境省、経済産業省及び総務省の了解を得た上で、基金を取り崩して支払っている。この事務局費用の平成21年6月分から22年2月分までの支払額は計6,761,771,032円となっている。
事務局が行う前記の業務のうち、グリーン家電を購入してエコポイントの付与を申請する者(以下「申請者」という。)から送付される申請書類の受付・審査業務において、構成会社は、申請者等に大量の郵便物を発送している。そして、21年6月から22年2月までの毎月の受付・審査業務に係る費用の請求に当たって、構成会社は、郵便局所定の1通当たりの郵便料金の定額(はがき50円、手紙・定形25まで80円、手紙・定形25超50まで90円等。以下「定額」という。)から消費税相当額を差し引いた額に、それぞれの発送通数を乗ずるなどして郵便料金を計165,066,898円と計算し、これと申請書類のデータ入力費等郵便料金以外の費用との合算額に消費税額を加えて、幹事会社への請求額としていた。
そして、幹事会社は、各構成会社の請求額のうち消費税額を加える前の額の合計額に、所定の管理費及び消費税額を加えた額を基金設置法人に請求し、基金設置法人は幹事会社の請求額と同額の事務局費用を基に委託費を精算して幹事会社に支払っていた。
しかし、受付・審査業務において発送された郵便物のうち発送通数が大量である郵便物の郵便料金については、バーコード割引(注2)
又は区分郵便物割引(注3)
の適用により、定額の5%から18%の割引を受けていて、その割引料金等は郵便物の種類に応じ、それぞれ次のようになっていた。
〔1〕 申請書類に不備がある場合に申請者に発送する「不備案内状(封書)」(発送通数計661,290 通)
定額80円、割引料金67.2円又は68.8円、割り引かれた金額計852万余円
〔2〕 取得したエコポイントから商品等に交換したポイントを差し引いた残ポイントを申請者に知らせ る「エコポイント残高通知(はがき)」(発送通数計2,235,021通)
定額50円、割引料金41.0円から43.0円、割り引かれた金額計1905万余円
〔3〕 グリーン家電の購入者に対してそのエコポイントと交換で地デジアンテナ工事、省エネ電球等を 提供した家電販売店に送付する「サポート店明細書(封書)」(発送通数計21,555通)
定額80円、割引料金76.0円、割り引かれた金額計16万余円
〔4〕 エコポイントの付与の対象となる購入の期間等が延長になったことなどを家電販売店に知らせる 「サポート店向発送(封書)」(発送通数計40,416通)
定額90円、割引料金79.2円、割り引かれた金額計43万余円
そして、これらにより、実際に支払われていた受付・審査業務に係る郵便料金(消費税抜き)の総額は、138,238,253円であった。
したがって、前記定額の郵便料金により計算した額165,066,898円は26,828,645円過大となっており、これを基にした事務局費用の請求額も過大となることから、基金設置法人が幹事会社の請求額と同額の事務局費用を基に委託費を精算していたのは、適切とは認められない。そして、基金設置法人が事務局費用として支払うべき受付・審査業務に係る郵便料金(消費税抜き)は上記のとおり138,238,253円となり、これを基にした適正な事務局費用は計6,732,192,457円となることから、差し引き29,578,575円(国庫補助金相当額同額)が基金から過大に取り崩され支払われていて、不当と認められる。
このような事態が生じていたのは、基金設置法人において、事務局費用の請求額についての審査、確認及び事務局に対する指導監督が十分でなかったこと、環境省、経済産業省及び総務省において、基金設置法人に対する指導監督が十分でなかったことによると認められる。
(注1) | 本事業は、総務省、経済産業省及び環境省の合同事業であり、各省ごとに金額を区分できないため、 全額を掲記している。 |
(注2) | バーコード割引 定形郵便物及び郵便はがきに、受取人の住所等を表す所定のバーコードを記載し て一度に1,000通以上差し出す場合、5%割り引くなどの制度
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(注3) | 区分郵便物割引 基本割引と特別割引があり、基本割引は、差出人が受取人の住所又は居所の郵便番号ごとに郵便物を区分して一度に2,000通以上差し出す場合、差出通数に応じて5%から9%割り引く制度で、特別割引は、基本割引の適用を受ける差出人が送達に3日又は7日程度の余裕を承諾した場合、基本割引の割引率に4%から7%加算した割引率により割り引くなどの制度
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