(平成20年度決算検査報告 参照)
環境省は、国立公園等における施設の新設等工事により取得した国有財産を各地方環境事務所長に管理させている。しかし、新設等工事に係る事業実施要領に定める国有財産台帳への登録価格の算定方法が適切でないため、直接仮設費等及び間接工事費のうち国有財産の価格を形成する上で必要不可欠な費用に該当するものが国有財産台帳の価格から登録漏れとなっている事態が見受けられた。
したがって、環境省において、登録漏れとなっている国有財産の価格について、速やかに登録するとともに、事業実施要領を改正して、価格の登録を適正かつ確実に行うことを周知徹底する処置を講ずるよう、環境大臣に対して平成21年10月に、会計検査院法第34条の規定により是正の処置を要求し及び是正改善の処置を求めた。
本院は、環境本省において、その後の処置状況について会計実地検査を行った。
検査の結果、環境省は、本院指摘の趣旨に沿い、19、20両年度に取得した国有財産で国有財産台帳の価格から登録漏れとなっていたものについて、22年6月までに登録を行うとともに、21年10月に、事業実施要領を改正して、登録価格の算定方法を適切なものとし、地方環境事務所等に通知を発して、その内容を周知徹底するなどの処置を講じていた。
そして、18年度以前に取得した国有財産についても、順次、国有財産台帳に正確に価格が登録されているか調査して、登録漏れ等があったものについて登録価格の修正を行っている。