東日本高速道路株式会社、中日本高速道路株式会社及び西日本高速道路株式会社(以下、これらの会社を総称して「3会社」という。)は、共通の保全点検要領等に基づき、道路構造物の点検を実施するとともに、点検から補修に至る情報を確実に登録することを目的とする点検データ管理システムを運用している。しかし、詳細点検、安全点検及び簡易診断の点検データ等が適切に登録されていないなどの事態が見受けられた。
したがって、3会社において、道路構造物が計画的かつ効率的に管理されるよう、支社等に対して点検結果の登録は保全点検要領等に基づき確実に実施されなければならないことを周知するとともに、点検データ管理システムに登録すべき事項等を契約等の関係書類に具体的に記載するよう指示すること、また、保全点検要領等において、簡易診断を実施する道路構造物の損傷状況、点検手法等を明確にすることなどの処置を講ずるよう、3会社の代表取締役社長に対して平成21年10月に、会計検査院法第36条の規定により改善の処置を要求した。
本院は、3会社の本社、支社等において、その後の処置状況について会計実地検査を行った。
検査の結果、3会社は、本院指摘の趣旨に沿い、支社等に点検結果の登録は保全点検要領等に基づき確実に実施されなければならないことを周知し、22年5月までに、登録されていなかった点検データ等の登録を完了するとともに、点検データ管理システムに登録すべき事項等を22年度の支社の契約関係書類において明確に定め、また、簡易診断を実施する道路構造物の損傷状況、点検手法等を明確にした実施基準を作成して支社等に周知するなどの処置を講じていた。