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  • 平成21年度|
  • 第3章 個別の検査結果|
  • 第2節 団体別の検査結果|
  • 第14 独立行政法人家畜改良センター|
  • 平成20年度決算検査報告掲記の意見を表示し又は処置を要求した事項の結果

精液採取用種雄牛の貸付けの有償化について


精液採取用種雄牛の貸付けの有償化について

平成20年度決算検査報告参照

1 本院が要求した改善の処置

 独立行政法人家畜改良センター(以下「センター」という。)は、所有する精液採取用種雄牛(以下「種雄牛」という。)を自らの費用で一定の段階まで育成し、その後種雄牛を社団法人家畜改良事業団(以下「事業団」という。)のみを貸付先として無償で貸し付けている。一方、事業団は、センターから貸付けを受けた種雄牛に係る凍結精液の生産・販売を独占的に行って多額の販売収入を得ていた。しかし、種雄牛の貸付先は他にもあると認められるのに、センターが事業団に貸付先を限定して、貸付けの対価を得ていない事態は適切とは認められない。
 したがって、センターにおいて、種雄牛の貸付けについて、貸し付けた種雄牛から生産される凍結精液の販売収入に応じ対価を徴収するなど有償化するとともに、貸付先の選定に当たっては対象を事業団に限定することなく凍結精液の全国販売を行っている他の団体も含めて競争入札を行うなど契約の競争性を確保して増収を図るよう、独立行政法人家畜改良センター理事長に対して平成21年9月に、会計検査院法第36条の規定により改善の処置を要求した。

2 当局が講じた処置

 本院は、センター本所において、その後の処置状況について会計実地検査を行った。
 検査の結果、センターは、本院指摘の趣旨に沿い、種雄牛の貸付けについて、22年1月までに、独立行政法人家畜改良センター業務方法書の変更を行うなどして貸し付けた種雄牛から生産される凍結精液の販売収入に応じ対価を徴収することとし、貸付先について一般競争入札により選定する処置を講じていた。