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  • 平成21年度|
  • 第3章 個別の検査結果|
  • 第2節 団体別の検査結果|
  • 第41 郵便事業株式会社|
  • 平成20年度決算検査報告掲記の意見を表示し又は処置を要求した事項の結果

第三種郵便物制度の適正な運用について


 第三種郵便物制度の適正な運用について

1 本院が求めた是正改善の処置及び表示した意見

 第三種郵便物制度の運用について、本院は、過去2回指摘を行い、旧郵政省において、引受時の検査を充実させるなどの改善の処置が執られた。しかし、平成20年10月に心身障害者用低料第三種郵便物の不適正利用が発覚したことから、上記の本院の指摘により執られた処置の実施状況等について検査したところ、定期刊行物の発行人があらかじめ指定した支店等(以下「刊行物提出店」という。)以外の支店等に第三種郵便物差出票が提出された場合の当該差出票の刊行物提出店への送付、定期刊行物の見本等を提出していない発行人に対する催告、低料第三種郵便物を引き受ける際の刊行物提出店以外の支店等による差出承認の確認等の事務手続が遵守されていなかったり、複数の心身障害者団体が一つのグループ(以下「協会」という。)を形成して共通の題号で発行している定期刊行物に対する定期調査等や日刊新聞に対する見本調査が十分に実施されていなかったりしている事態が見受けられた。
 したがって、郵便事業株式会社(以下「事業会社」という。)は、郵便窓口業務の委託先である郵便局株式会社とも連携して、第三種郵便物制度の適正な運用を確保するため、これらの事務手続が遵守されているかを確認する相互牽(けん)制の事務手続を業務の過程に組み込む規定を定めたり、定期調査や見本調査の実施に必要な事務手続を明確に規定したりなどするよう、郵便事業株式会社代表取締役社長に対して21年10月に、会計検査院法第34条の規定により是正改善の処置を求め、及び同法第36条の規定により意見を表示した。

2 当局が講じた処置

 本院は、事業会社本社において、その後の処置状況について会計実地検査を行った。
 検査の結果、事業会社は、本院指摘の趣旨に沿い、次のような処置を講じていた。
ア 第三種郵便物差出票の提出を受けた支店等の管理者又は役職者が当該差出票の刊行物提出店への送付を送付記録簿で確認すること、及び支社が見本等を提出していない発行人に対する催告書の発出状況等を本社の郵便審査事務センターに報告することとして、22年7月までにこれらの実施に必要な事務手続を定め、また、22年度に、支社が差出承認の確認状況をモニタリングすることとするなどして、事務手続の遵守の徹底を図った。
イ 協会が発行するすべての定期刊行物について郵便審査事務センターが一定期間ごとに定期調査を実施すること、及び刊行物提出店から日刊新聞の見本を同センターに送付させて同センターが見本調査を実施することとして、22年7月にこれらの実施に必要な事務手続を明確に規定するなどした。