市町村合併推進体制整備費補助金(以下「合併補助金」という。)は、市町村の合併を円滑に推進することを目的として、市町村の合併の特例に関する法律(昭和40年法律第6号)及び市町村合併推進体制整備費補助金要綱(平成13年総務事務次官通知。平成18年一部改正。以下「補助要綱」という。)により、17年3月31日までに都道府県知事に合併申請を行い、18年3月31日までに合併した市町村が、当該合併市町村の建設に関する基本的な計画を作成して、この計画に基づいて行う事業の実施に要する経費の一部を国が補助するものである。
一方、総務省は、地方交付税法(昭和25年法律第211号)の規定に基づき、普通交付税の算定方法によっては捕捉されなかった特別の財政需要があるなどの地方団体に特別交付税を交付している。
そして、「平成17年度における合併市町村補助金の取扱いについて」(平成18年2月総務省自治行政局合併推進課長通知)等によると、特別交付税の算定の基礎数値に含めている事業(合併補助金を特定財源として控除している場合を除く。)に係る経費は合併補助金の補助の対象とはならないこととされている。
本院が総務本省及び86市町において会計実地検査を行ったところ、3市において、特別交付税の算定の基礎数値に含めている事業に係る経費を合併補助金の補助の対象としており、これに係る国庫補助金計139,660,000円が過大に交付されていて不当と認められる。
このような事態が生じていたのは、上記の3市において、補助要綱等の理解が十分でなかったこと、また、総務省において実績報告書の審査及び確認が十分でなかったことなどによると認められる。
前記の事態について、事例を示すと次のとおりである。
大分県大分市(平成17年1月1日に大分市、佐賀関町及び野津原町が合併)は、18年度に統合型地理情報システム構築事業を事業費137,025,000円で実施して、19年2月に交付申請を行い、合併補助金123,040,000円の交付を受けていた。
しかし、同市は、18年8月に、本件事業に係る経費を統合型地理情報システム導入に要する経費として特別交付税の算定の基礎数値に含めて大分県に報告し、同県はその審査を行い、同年9月に総務省に報告して、その措置を受けていた。
したがって、前記の事業に係る経費は、特別交付税の算定の基礎数値に含まれていることから、これに係る合併補助金123,040,000円は交付の必要がなかった。
以上を県別・事業主体別に示すと次のとおりである。
県名
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補助事業者(事業主体)
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補助事業
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年度
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補助対象事業費
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左に対する国庫補助金
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不当と認める補助対象事業費
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不当と認める国庫補助金
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摘要
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千円
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千円
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千円
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千円
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(3)
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香川県
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観音寺市
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のりあいバス購入
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19
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12,810
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12,000
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12,810
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12,000
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特別交付税の措置と重複して補助金の交付を受けていたもの
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(4)
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同
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三豊市
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本山駅駐輪場
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19
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4,623
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4,620
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4,623
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4,620
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同
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(5)
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大分県
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大分市
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統合型地理情報システム構築
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18
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137,025
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123,040
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137,025
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123,040
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特別交付税の措置と重複して補助金の交付を受けていたもの
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(3)—(5)の計
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154,458
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139,660
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154,458
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139,660
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