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  • 平成22年度|
  • 第3章 個別の検査結果|
  • 第1節 省庁別の検査結果|
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  • 補助金

介護給付費負担金が過大に交付されていたもの


(15) 介護給付費負担金が過大に交付されていたもの

27件 不当と認める国庫補助金 149,375,923円

 介護保険は、介護保険法(平成9年法律第123号)に基づき、市町村(特別区、一部事務組合及び広域連合を含む。以下同じ。)が保険者となって、市町村の区域内に住所を有する65歳以上の者等を被保険者として、加齢による疾病等の要介護状態等に関して、保健医療サービス及び福祉サービスの給付を行う保険である。
 介護保険については各種の国庫助成が行われており、その一つとして、市町村が行う介護保険事業運営の安定化を図るため、国から市町村に対して介護給付費負担金(以下「負担金」という。)が交付されている。
 毎年度の負担金の交付額は、「介護保険の国庫負担金の算定等に関する政令」(平成10年政令第413号)等に基づき、次により算定することとなっている。

介護給付及び予防給付に要する費用等の額×国の負担割合(施設等分15/100、その他分20/100)=交付額

 各算出要素については、次のとおりとされている。

ア 介護給付及び予防給付に要する費用等の額は、当該年度に、国民健康保険団体連合会(以下「国保連合会」という。)が審査決定した市町村負担分の居宅介護サービス費、施設介護サービス費、特定入所者介護サービス費等及び市町村が支払決定した高額介護サービス費、居宅介護住宅改修費等の介護給付並びに予防給付に要する費用の額(以下、これらを「介護給付費等」という。)に、国保連合会に対する審査支払手数料を加えた額とされている。
イ 国の負担割合は、介護給付費等の費用の区分に応じて、次のように定める割合とされている。
(ア) 施設等分は、介護給付費等のうち、施設介護サービス費、指定施設サービス等に係る特定入所者介護サービス費、特定施設入居者生活介護費等及び介護予防特定施設入居者生活介護に係る予防給付費であり、負担割合は100分の15
(イ) その他分は、介護給付費等のうち、上記施設等分以外の介護給付費等であり、負担割合は100分の20

 また、介護給付費等の算定に当たっては、損害賠償金、徴収金、返還金、加算金等の収入額を介護給付費等から控除することとされている。
 そして、平成17年度以前に生じた収入額を18年度以降に介護給付費等から控除する場合は、17年度以前は国の負担割合が一律に100分の20であったことから、国の負担割合が100分の20であるその他分から控除することとなる。
 負担金の交付手続については、〔1〕 交付を受けようとする市町村は都道府県に交付申請書及び介護給付費負担金事業実績報告書(以下「実績報告書」という。)を提出して、〔2〕 これを受理した都道府県は、その内容を添付書類により、また、必要に応じて現地調査を行うことにより審査の上、これを厚生労働省に提出して、〔3〕 厚生労働省はこれに基づき交付決定及び交付額の確定を行うこととなっている。
 本院が、26都府県の272市区町村、5一部事務組合及び8広域連合において、18年度から21年度までに交付された負担金について会計実地検査を行ったところ、8都県の26市区町及び1広域連合において、介護給付費等について施設等分及びその他分の区分を誤っていたり、17年度以前の収入額を誤って施設等分から控除していたりなどして、負担金の交付額を過大に算定したため、負担金交付額計43,500,558,694円のうち計149,375,923円が過大に交付されていて、不当と認められる。
 このような事態が生じていたのは、上記の26市区町及び1広域連合において法令等を十分に理解していなかったこと、上記の8都県において実績報告書の審査及び確認が十分でなかったことなどによると認められる。
 これを部局等別・交付先(保険者)別に示すと次のとおりである。

部局等 交付先
(保険者)
年度 負担金交付額 不当と認める負担金交付額 摘要
千円 千円  
(234) 福島県 田村市 18 440,666 4,048 施設等分及びその他分の区分が誤っていたもの
(235) 伊達郡国見町 18 97,009 1,123
(236) 南会津郡只見町 18〜20 218,755 3,343 施設等分及びその他分の区分が誤っていたものなど
(237) 南会津郡南会津町 18 212,084 3,906 施設等分及びその他分の区分が誤っていたもの
(238) 河沼郡柳津町 18〜20 175,310 2,885
(239) 田村郡小野町 18、20 256,688 2,659
(240) 双葉郡双葉町 19、20 157,994 2,635
(241) 千葉県 銚子市 18〜20 1,885,487 3,102 17年度以前の収入額を誤って施設等分から控除していたもの
(242) 東金市 19 408,345 3,589 施設等分及びその他分の区分が誤っていたもの
(243) 我孫子市 20 841,485 2,052 施設等分及びその他分の集計が誤っていたもの
(244) 東京都 港区 19 1,529,434 1,329 17年度以前の収入額を誤って施設等分から控除していたもの
(245) 墨田区 19、20 3,793,642 3,112
(246) 目黒区 19 2,050,223 2,062
(247) 杉並区 19 4,088,245 1,478
(248) 豊島区 19 2,064,503 1,624
(249) 荒川区 19 1,831,748 6,892
(250) 江戸川区 19、20 7,347,092 4,163 17年度以前の収入額を誤って施設等分から控除していたものなど
(251) 福生市 20 436,275 2,910 施設等分及びその他分の集計が誤っていたもの
(252) 新潟県 糸魚川市 18〜20 2,216,353 10,646 施設等分及びその他分の区分が誤っていたもの
(253) 阿賀野市 18、19 989,542 12,302
(254) 南魚沼郡湯沢町 18〜20 277,671 4,591
(255) 岐阜県 揖斐広域連合 18〜21 2,918,232 6,615 施設等分及びその他分の集計が誤っていたもの
(256) 鳥取県 米子市 21 1,851,448 19,784
(257) 広島県 福山市 21 4,952,905 17,384 介護給付費等について年度の区分を誤っていたもの
(258) 熊本県 下益城郡美里町 18〜20 679,476 7,669 施設等分及びその他分の区分が誤っていたもの
(259) 菊池郡大津町 18〜21 1,068,311 10,726 施設等分及びその他分の区分が誤っていたものなど
(260) 上益城郡甲佐町 18〜21 711,624 6,733 施設等分及びその他分の区分が誤っていたもの
(234)—(260)の計 43,500,558 149,375