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  • 平成22年度|
  • 第3章 個別の検査結果|
  • 第1節 省庁別の検査結果|
  • 第9 農林水産省|
  • 不当事項|
  • 補助金|
  • 補助事業の実施及び経理が不当と認められるもの

水土里情報利活用促進事業の事業費を過大に精算していたもの


(1) 補助対象事業費を過大に精算していたもの

10件 不当と認める国庫補助金 77,221,606円

水土里情報利活用促進事業の事業費を過大に精算していたもの

(3件 不当と認める国庫補助金 14,743,185円)

  部局等 補助事業者等 間接補助事業者等 補助事業等 年度 事業費 左に対する国庫補助金等交付額 不当と認める事業費 不当と認める国庫補助金等相当額
        千円 千円 千円  千円
(302) 関東農政局 神奈川県土地改良事業団体連合会
(事業主体)
水土里情報利活用促進 18、20、21 182,000 182,000 5,572 5,572
(303) 静岡県土地改
良事業団体連合会
(事業主体)
19 45,000 45,000 7,527 7,527
(304) 中国四国農政局 愛媛県土地改良事業団体連合会
(事業主体)
18〜21 365,000 365,000 1,642 1,642
(302)—(304)の計 592,000 592,000 14,743 14,743

 これらの補助事業は、農地や水利施設等に関する地図情報及び農地情報を整備し管理・提供システムを導入するために、農地筆・区画に係る農地面積等の各種情報をデータベース化する作業等を実施するものである。
 神奈川県土地改良事業団体連合会、静岡県土地改良事業団体連合会及び愛媛県土地改良事業団体連合会(以下、これらを合わせて「3連合会」という。)は、本件補助事業の実施に当たり、平成18年度から21年度までの間に計592,000,000円の事業費を要したとして、それぞれ関東農政局又は中国四国農政局に実績報告書を提出して、同額の国庫補助金の交付を受けていた。そして、事業費のうち補助事業に従事する職員の人件費である技術員手当等及びこれらの職員に係る保険料等である共済費については、18年度から21年度までの間に3連合会の職員が本件補助事業に従事したとする人日数等により算定するなどしていた。
 しかし、3連合会は、本件補助事業に全く従事していない職員を補助事業の対象としていたり、職員が補助事業以外の業務に従事していた日を補助事業従事人日数に含めていたりなどしており、補助事業に従事した実際の人日数等により本件補助事業の適正な事業費を算定すると計577,256,815円となり、上記の事業費計592,000,000円との差額計14,743,185円が過大に精算されていて、これらに係る国庫補助金計14,743,185円が不当と認められる。
 このような事態が生じていたのは、3連合会において、補助事業の適正な実施に対する認識が十分でなかったこと、関東農政局及び中国四国農政局において、実績報告書の審査及び確認が十分でなかったことなどによると認められる。
 前記の事態について、事例を示すと次のとおりである。

<事例>

 静岡県土地改良事業団体連合会は、平成19年度に45,000,000円の事業費を要したとして、関東農政局に実績報告書を提出して、同額の国庫補助金の交付を受けていた。そして、本件補助事業に従事した職員を15名とした上で、これらの職員に係る技術員手当等及び共済費を13,880,461円と算定していた。
 しかし、本件補助事業に従事したとする職員の勤務状況等を精査したところ、実際に本件補助事業に従事していた職員は15名のうち3名にすぎず、残りの12名は本件補助事業に全く従事していなかった。また、従事していた3名についても、実際の従事時間数を記載した書類が保存されていないため、農地面積等のデータベース化作業等に要した実際の人日数が把握できない状況となっていた。
 そこで、全国土地改良事業団体連合会が作成した水土里情報システムデータ作成業務の積算基準等を用いて、19年度に作成されたデータベースの規模等に基づき、一般的にその作成に必要となる人日数を算出するなどして適正な事業費を算定すると、37,472,115円となり、前記の事業費45,000,000円との差額7,527,885円が過大に精算されていた。