部局等 | 補助事業者等 | 間接補助事業者等 | 補助事業等 | 年度 | 事業費 | 左に対する国庫補助金等交付額 | 不当と認める事業費 | 不当と認める国庫補助金等相当額 | |
千円 | 千円 | 千円 | 千円 | ||||||
(305) | 中国四国農政局 | 香川県 (事業主体) |
— | 国営造成施設管理体制整備促進(管理体制 整備型) |
17〜21 | 388,598 | 194,299 | 59,364 | 29,682 |
この補助事業は、香川県が、国営造成施設(国営土地改良事業等により整備した用排水路、揚排水機場等の農業水利施設をいう。以下同じ。)について、水源かん養機能、洪水防止機能等の多面的機能の発揮、安全管理の強化等に対応した管理体制の整備を図るため、当該施設を管理する土地改良区(以下「管理主体」という。)を対象として、管理体制の整備に係る計画の策定、推進及び支援の各事業を実施したものである。このうち、管理体制の整備に係る支援事業は、管理主体が国営造成施設の維持管理に要した費用のうち、都市化・混住化の進展に伴い増大した多面的機能の発揮に相当する費用(以下「多面的費用」という。)に対して同県が支援したものである。
「国営造成施設管理体制整備促進事業実施要綱」(昭和60年60構改D第302号農林水産事務次官依命通知)等によると、多面的費用は、国営造成施設等の操作運転、点検整備等に要する経費である経常経費等に所定の割合を乗じて得た額を上限とすることとされている。そして、経常経費のうち、国営造成施設等の操作運転及び点検整備に従事する技術者に係る人件費(以下「技術者賃金等」という。)は、農林水産省及び国土交通省が定めた基準日額に勤務日数を乗じて算定した額(以下「限度額」という。)の範囲内とされており、技術者の1日当たりの実際の人件費単価(以下「日額単価」という。)が基準日額を上回る場合は、基準日額に基づき技術者賃金等を算定することとされている。
同県は、管理主体から提出された実績報告書に基づいて、平成17年度から21年度までの間に、本件補助事業を計388,598,000円(国庫補助対象事業費同額)で実施したとして、中国四国農政局に実績報告書を提出して、これにより国庫補助金計194,299,000円の交付を受けていた。
しかし、管理主体から同県に提出された実績報告書においては、一部の技術者に係る日額単価が基準日額を上回っていたのに、日額単価に基づいて技術者賃金等が算定されていたため、経常経費に限度額を超える技術者賃金等が計上されていた。
したがって、技術者賃金等を限度額の範囲内で計上した経常経費により多面的費用を算出し、適正な国庫補助対象事業費を算定すると計329,233,560円となり、前記の国庫補助対象事業費計388,598,000円との差額計59,364,440円が過大に精算されていて、これに係る国庫補助金相当額計29,682,221円が不当と認められる。
このような事態が生じていたのは、管理主体において技術者賃金等の限度額についての理解が十分でなかったことにもよるが、同県において、管理主体から提出された実績報告書等についての審査及び確認が十分でなかったことなどによると認められる。