部局等 | 補助事業者等 | 間接補助事業者等 | 補助事業等 | 年度 | 事業費 | 左に対する国庫補助金等交付額 | 不当と認める事業費 | 不当と認める国庫補助金等相当額 | |
千円 | 千円 | 千円 | 千円 | ||||||
(323) | 農林水産本省 | 株式会社TKRビジネスサポート (事業主体) |
— | 新技術活用ビジネスモデル実証・普及 | 20 | 50,042 | 50,000 | 2,551 | 2,509 |
(324) | 同 | 株式会社名寄給食センター (事業主体) |
— | 食農連携促進施設整備 | 21 | 47,512 | 23,756 | 2,612 | 1,306 |
(323)(324)の計 | 97,554 | 73,756 | 5,164 | 3,816 |
これらの補助事業は、事業主体である民間事業者が加工センターにおける出荷から小売業への納品という一連の流通業務において電子タグの活用による効率的な作業体系等を確立したビジネスモデルを構築するため、受発注システム等の開発とその実証実験に要する経費の一部を補助したものなどである。
そして、2事業主体は、本件補助事業を消費税(地方消費税を含む。以下同じ。)を含め、事業費計97,554,500円(国庫補助対象事業費同額、国庫補助金計73,756,000円)で実施したとして農林水産本省に実績報告書を提出して、これにより国庫補助対象事業費の精算を受けていた。
消費税は、事業者が課税対象となる取引を行った場合に納税義務が生ずるが、生産及び流通の各段階で重ねて課税されないように、確定申告において、課税売上高に対する消費税額から課税仕入れに係る消費税額を控除(以下、この控除を「仕入税額控除」という。)する仕組みが採られている。
そして、補助事業の事業主体が補助対象のソフトウェア、施設等を取得することなども課税仕入れに該当して、上記の仕組みにより確定申告の際に補助事業で取得したソフトウェア、施設等に係る消費税額を仕入税額控除した場合には、事業主体は当該ソフトウェア、施設等に係る消費税額を実質的に負担していないことになる。
このため、補助事業の事業主体は、「食品産業競争力強化対策事業関係補助金交付要綱」(平成20年19総合第1745号農林水産事務次官依命通知)等により、実績報告書の提出後に消費税の確定申告により仕入税額控除した消費税額に係る補助金の額が確定したときには、その金額を速やかに報告するとともに、当該金額を返還しなければならないこととされている。
しかし、2事業主体は、消費税の確定申告の際、本件補助事業に係る消費税額計4,637,006円を仕入税額控除していたのに、これに係る国庫補助金相当額計3,505,744円の報告及び返還を行っていなかった。
また、このほかに、2事業主体は、実際には支払っていない経費や補助の対象とならない経費を国庫補助対象事業費に含めていて、国庫補助対象事業費が計527,173円過大に精算されていた。
したがって、国庫補助対象事業費計5,164,179円が過大になっていて、これに係る国庫補助金相当額計3,816,222円が不当と認められる。
このような事態が生じていたのは、2事業主体において、補助事業における消費税の取扱いについての理解が十分でなかったこと、本件補助事業の適正な実施に対する認識が欠如していたこと、農林水産本省において、本件補助事業の消費税の取扱いなどについての2事業主体に対する指導、審査及び確認が十分でなかったことなどによると認められる。