農林水産省農林水産技術会議事務局(以下「事務局」という。)は、地域活性化のためのバイオマス利用技術の開発事業等を、独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構(以下「機構」という。)等の独立行政法人等に委託して実施している。しかし、機構が事務局から受託した事業について、非常勤職員の賃金を実績報告書に適切に計上していない事態や事務局が実績報告書に対する検査を十分に行わないまま委託費の額を確定している事態が見受けられた。
したがって、農林水産省において、機構に対して過大に支払われていた非常勤職員の賃金相当額を国庫に返還させるとともに、機構以外の独立行政法人等にも過大に支払われていた賃金相当額があった場合には、その賃金相当額を国庫に返還させ、また、事務局の委託事業を受託している独立行政法人等に対して非常勤職員の賃金を実績報告書に適切に計上させるよう周知徹底するとともに、事務局の検査体制を整備するなどの処置を講ずるよう、農林水産大臣に対して平成22年9月に、会計検査院法第34条の規定により是正の処置を要求し及び是正改善の処置を求めた。
本院は、農林水産省において、その後の処置状況について会計実地検査を行った。
検査の結果、農林水産省は、本院指摘の趣旨に沿い、次のような処置を講じていた。