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  • 平成22年度|
  • 第3章 個別の検査結果|
  • 第1節 省庁別の検査結果|
  • 第10 経済産業省|
  • 不当事項|
  • 補助金|
  • 補助事業の実施及び経理が不当と認められるもの|
  • (1) 補助対象事業費を過大に精算するなどしていたもの

補助事業に使用しなかった物品の購入費を含めていて補助対象事業費を過大に精算していたもの


補助事業に使用しなかった物品の購入費を含めていて補助対象事業費を過大に精算していたもの

(1件 不当と認める国庫補助金 1,292,172円)

  部局等
補助事業者等
(所在地)
補助事業等 年度
事業費
(補助対象事業費)
左に対する国庫補助金等交付額 不当と認める補助対象事業費等 不当と認める国庫補助金等相当額
          千円 千円 千円 千円
(346) 中国経済産業局 中原鉄工株式会社
(岡山市)
〈事業主体〉
事業化・市場化支援 21 13,091
(12,467)
8,311 1,938 1,292

 この補助事業は、事業主体が事業分野の異なる中小企業と連携して、フェムト秒超短パルスレーザー(注1) 光源(以下「レーザー光源」という。)の事業化を実施するものである。事業主体は、本件補助事業の実施に当たり、試作・開発等に要したとする事業費13,091,144円(補助対象事業費12,467,745円)に対して、国庫補助金8,311,828円の交付を受けていた。
 しかし、事業主体は、レーザー光源の試作品用の部品として一括購入したチャープミラー(注2) 等の一部(購入価額1,938,258円)を、購入後保管したままにしていたり、レーザー光源の販売品の製造に使用していたりしていて、補助事業に使用していなかったのに、この購入費を試作・開発費に含めていたため、補助対象事業費が1,938,258円過大に精算されており、これに係る国庫補助金相当額1,292,172円が不当と認められる。
 このような事態が生じていたのは、事業主体において、補助事業の適正な執行に対する認識が不足していたこと、中国経済産業局において、事業主体に対する指導、審査及び確認が十分でなかったことなどによると認められる。

(注1)
フェムト秒超短パルスレーザー  レーザーパルスの持続時間をフェムト秒単位(1000兆分の1秒)まで短くしたレーザー。極めて短時間内に大きなエネルギーを集中させることができるため超精密微細加工などの分野への応用が期待されている。
(注2)
チャープミラー  フェムト秒超短パルスレーザー等の光学系で使用する部品