部局等 | 補助事業者等 (事業主体) |
補助事業等 | 年度 | 事業費 (国庫補助対象事業費) |
左に対する国庫補助金等交付額 | 不当と認める事業費 (国庫補助対象事業費) |
不当と認める国庫補助金等相当額 | |
千円 | 千円 | 千円 | 千円 | |||||
(362) | 国土交通本省 (支出・審査庁)、中国運輸局(審査庁) |
隠岐海上交通総合連携協議会 | 地域公共交通活性化・再生総合 | 20 | 126,390 (126,390) |
63,195 | 5,550 (5,550) |
2,775 |
この補助事業は、隠岐海上交通総合連携協議会(以下「隠岐協議会」という。)が、旅客船等の多様な事業の具体化のために必要となる事業を実施することにより、地域の創意工夫ある自主的な取組を促進し、地域公共交通の活性化及び再生を図ることを目的として、地域公共交通活性化・再生総合事業を事業費126,390,000円(国庫補助金63,195,000円)で実施したものである。そして、隠岐協議会は、同事業の一環として、隠岐諸島と本土との間に就航している超高速船の改良工事を行う超高速船特別整備事業を事業費116,550,000円(うち消費税相当額5,550,000円)で実施し、同額を国庫補助対象事業費としていた。
補助対象事業者が、消費税法(昭和63年法律第108号)上の事業者である場合においては、国庫補助対象事業費により資産の譲渡等を受け、消費税(地方消費税を含む。以下同じ。)を負担しても、当該補助対象事業者の消費税納付税額の計算上、課税売上高に対する消費税額から課税仕入れに係る消費税額として控除(以下、この控除を「仕入税額控除」という。)の対象となるときは、当該補助対象事業者は実質的に消費税を負担しないこととなる。
このため、地域公共交通活性化・再生総合事業費補助金交付要綱(平成20年国総計第100号)によると、国庫補助対象事業費に係る消費税のうち、仕入税額控除の対象となる消費税相当額については、補助の対象としないこととされている。
前記超高速船の改良工事は、隠岐協議会、同協議会の構成員である株式会社隠岐振興(以下「会社」という。)及び改良工事を行う造船所の三者の間で締結した契約に基づいて実施されたものである。そして、同契約によると、会社が造船所に工事費の全額を支払い、隠岐協議会はその2分の1に相当する額を会社に支払うこととされている。
しかし、会社は消費税法上の事業者に該当し、会社から造船所への支払に係る消費税相当額は、その全額が仕入税額控除の対象となることから、本件工事費に係る消費税相当額は補助対象外となるのに、隠岐協議会が、国庫補助対象事業費の算定に当たり、消費税相当額を控除していなかったのは適切とは認められない。
したがって、消費税相当額を控除して適正な国庫補助対象事業費を算定すると111,000,000円となることから、前記の国庫補助対象事業費116,550,000円は5,550,000円過大となっており、これに係る国庫補助金相当額2,775,000円が不当と認められる。
このような事態が生じていたのは、隠岐協議会において、補助事業に係る消費税相当額の取扱いに関する認識が十分でなかったこと、国土交通本省及び中国運輸局において実績報告書等の審査が十分でなかったことによると認められる。