部局等 | 補助事業者等 (事業主体) |
補助事業等 | 年度 | 事業費 (国庫補助対象事業費) |
左に対する国庫補助金等交付額 | 不当と認める事業費 (国庫補助対象事業費) |
不当と認める国庫補助金等相当額 | |
千円 | 千円 | 千円 | 千円 | |||||
(372) | 岡山県 | 岡山県 | 地域連携推進、地方道路交付金 | 19、20 | 50,652 (50,652) |
25,657 | 2,902 (2,902) |
1,470 |
この補助事業等は、岡山県が、一般国道313号災害防除事業の一環として、真庭市仲間地内において、道路の山側切土法面を保護するため、モルタル吹付工、法枠工等を工事費50,652,000円(国庫補助金等25,657,650円)で実施したものである。
同県は、このうちモルタル吹付工541.0m2
について、設計図書等により、次のように施工することとしていた。
〔1〕 モルタル吹付層と地山とが密着するよう、地山が岩盤の場合には、ごみ、泥土、浮石等の吹付材の付着に害となるものを除去する。
〔2〕 モルタル吹付層を補強するため、菱形金網(網目5cm×5cm)を布設する。金網は、地山から、モルタル吹付層の2分の1から3分の1までの間に位置するよう、かつ、吹付けなどにより移動しないよう、アンカーピン等を使用して固定する。
〔3〕 モルタルを厚さ10cm(以下「設計厚さ」という。)に吹き付ける。そして、検査基準上許容される平均吹付け厚さは設計厚さ以上とする。
〔4〕 吹付箇所に付着しないで周辺に飛び散ったはね返り材は速やかに取り除いて、不良箇所が生じないように施工する。
しかし、現地の状況を確認したところ、モルタル吹付工541.0m2
のうち508.5m2
の法面には多数の亀裂が発生するなどしていた。そこで、この法面について24か所を削孔して調査したところ、次のような状況となっていた。
すなわち、モルタルの吹付け厚さは24か所の平均で8.4cmとなっていて、許容される平均吹付け厚さを下回っていた。また、モルタル吹付層と地山の岩盤との間に、はね返り材や土砂等が残存していたり、空隙が生じていたりしていて、モルタル吹付層が地山に密着していないものが10か所あった。さらに、金網が、設計図書等に示された所定の位置より地山寄りに大きくずれているものが16か所あるなどしていた。
したがって、モルタル吹付工508.5m2
(工事費相当額2,902,000円)は、施工が設計と著しく相違して粗雑なものとなっていて、工事の目的を達しておらず、これに係る国庫補助金等相当額1,470,001円が不当と認められる。
このような事態が生じていたのは、請負人が粗雑な施工を行っていたのに、これに対する同県の監督及び検査が十分でなかったことなどによると認められる。