部局等 | 補助事業者等 (事業主体) |
補助事業等 | 年度 | 事業費 (国庫補助対象事業費) |
左に対する国庫補助金等交付額 | 不当と認める事業費 (国庫補助対象事業費) |
不当と認める国庫補助金等相当額 | |
千円 | 千円 | 千円 | 千円 | |||||
(375) | 沖縄県 | 沖縄県 | 街路 | 20 | 497,700 (497,700) |
447,930 | 497,700 (497,700) |
447,930 |
この補助事業は、沖縄県が、街路事業の一環として、那覇市識名地内において、トンネル掘削に伴いトンネル直上に埋設されている送水管(管径600mm及び900mm)に沈下等の影響が生じないようにするため、掘削補助工、鋼製支保工等(以下、これらを「沈下対策工」という。)を施工するもので、トンネルの坑口付近等において、掘削に先立って切羽頂部周辺の地盤を薬液注入等により補強したものである。
同県は、平成21年1月に、随意契約により本件工事に係る契約を締結後、同年3月に請負人から履行報告書の提出を受けたことから、しゅん功検査を行うなどして、本件工事が契約どおり完了した旨の実績報告を行っていた。
しかし、同県は、18年12月に、本件工事の請負人とトンネル本体の掘削工、吹付工等に係る契約を一般競争契約により締結して21年3月まで実施しており(以下、この工事を「先行工事」という。)、沈下対策工は、先行工事において、19年12月から20年12月までの間に既に施工されていた。
そして、同県が先行工事において沈下対策工を追加施工するよう現場指示を行った時点では、請負人と設計変更による請負代金額の変更協議を行って工事費を増額変更する予定としていた。しかし、この変更協議が整った場合には沈下対策工に係る工事費にも先行工事の落札率(47.2%)が反映されることから、請負人が難色を示し、請負代金額の変更協議が整わなかった。このため、同県は、先行工事の工事費については増額変更する手続をとらず、沈下対策工に係る工事費については別途の契約で支払うこととして、随意契約(落札率99.7%)による前記契約の締結を偽装し、虚偽の契約書、履行報告書等を作成するなどして、既に施工されていた工事に新規に着手して完了したこととしていた。
したがって、同県は、先行工事において沈下対策工が完了しているのに、虚偽の契約書等を作成するなどして工事の実施を偽装し、不適正な経理処理を行って補助金の交付を受けていたもので、本件補助事業(事業費497,700,000円)の実施は著しく適正を欠いており、これに係る国庫補助金447,930,000円が不当と認められる。
このような事態が生じていたのは、同県において、国庫補助事業の適正な実施に関する認識が欠如していたことなどによると認められる。