部局等 | 補助事業者等 (事業主体) |
補助事業等 | 年度 | 事業費 (国庫補助対象事業費) |
左に対する国庫補助金等交付額 | 不当と認める事業費 (国庫補助対象事業費) |
不当と認める国庫補助金等交付額 | |
承認を受けずに有償で譲渡するなどしていた額 | 左のうち国庫補助金相当額 | 不当と認める譲渡額のうち取得価格を上回る額等 | 不当と認める国庫補助金相当額 | |||||
千円 | 千円 | 千円 | 千円 | |||||
(376) | 東京都 | 東京都 | 下水道 | 昭和46、58 | 822,381 (821,451) |
408,670 | 115,993 (115,921) |
62,976 |
84,366 | 36,786 | 51,411 | 23,634 | |||||
計 | 86,610 |
この補助事業は、東京都が、ポンプ所又は水再生センターの下水道用地を確保するために、昭和46年度に、加平ポンプ所用地の一部として土地7,727.6m2
を、また、58年度に、浮間水再生センター用地の一部として土地2,285.6m2
をそれぞれ取得したものである。
補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律(昭和30年法律第179号)第22条の規定等によると、補助事業者は、補助事業により取得した財産を補助金の交付の目的に反して譲渡したり、貸し付けたりなどするときは、当該補助事業を所掌する各省各庁の長の承認を受けなければならないことなどとされている。そして、「都市・地域整備局所管補助事業等に係る財産処分承認基準について」(平成20年12月22日国都総第2449号国土交通省都市・地域整備局長通知)等によると、補助事業により取得した財産を有償で譲渡したり、貸し付けたりすることなどにより収益が見込まれる場合においては、譲渡額、貸付料等のうち国庫補助金相当額(譲渡額、貸付料等に用地取得時の補助率を乗じて算出される額等。以下同じ。)について国庫納付を行うことを条件とすることとされている。
都は、加平ポンプ所用地については、49年度及び54年度に、それぞれ498.4m2
及び16.8m2
を都の建設局に対して事業用代替地及び道路用地として、さらに、59年度に、88.3m2
を首都高速道路公団(平成17年10月1日以降は首都高速道路株式会社)に対して道路用地として、それぞれ有償で譲渡しており、当該用地の取得価格計32,954,376円を計35,905,038円上回る譲渡額計68,859,414円を収納していた。また、浮間水再生センター用地については、15年7月から、473.9m2
を民間会社に対して駐車場用地として有償で貸し付けるなどしており、23年3月末までに、計15,506,628円の貸付料等を収納していた。
しかし、都は、これらの用地計1,077.5m2
(事業費計115,993,920円、国庫補助対象事業費計115,921,193円、国庫補助金交付額計62,976,380円)について、国土交通大臣(13年1月5日以前は建設大臣)の承認を受けずに、有償で譲渡したり、貸し付けたりするなどしていた。また、これらにより収納した譲渡額、貸付料等のうち国庫補助金相当額(計36,786,977円)について国庫納付を行っていなかった。
したがって、上記の用地に係る国庫補助金交付額計62,976,380円並びに収納した譲渡額のうち取得価格を上回る額に係る国庫補助金相当額及び貸付料等に係る国庫補助金相当額計23,634,306円、合計86,610,686円が財産の処分に係る手続が適正でなく不当と認められる。
このような事態が生じていたのは、都において、補助事業で取得した下水道用地を、有償で譲渡したり、貸し付けたりするなどに当たって、法令等に基づき適正な手続をとるべきことの認識が欠如していたことなどによると認められる。