ページトップ
  • 平成22年度|
  • 第3章 個別の検査結果|
  • 第1節 省庁別の検査結果|
  • 第11 国土交通省|
  • 平成21年度決算検査報告掲記の意見を表示し又は処置を要求した事項の結果

社会資本整備事業で整備した施設に係る長寿命化事業の実施について


(13) 社会資本整備事業で整備した施設に係る長寿命化事業の実施について

平成21年度決算検査報告参照

1 本院が表示した意見

 長寿命化事業の実施に当たり、道路整備事業において、長寿命化計画の策定や予防保全的管理を実施する上で重要な施設情報の活用や引継ぎが適切に行われていない事態や、港湾整備事業において、国有港湾施設の長寿命化計画の策定に当たり、計画に基づく施設の維持管理が実施されていなかったり、点検や調査の結果が活用されていなかったりしている事態、また、両事業において、長寿命化事業における点検データ等の重要な施設情報の記録や整理が十分行われていない事態が見受けられた。
 したがって、国土交通省において、施設の維持管理及び更新が計画的かつ効率的に実施されるよう、道路整備事業の事業主体に対して、重要な施設情報の範囲を明確にした上で施設の移管に当たってもこれらが確実に引き継がれるよう周知したり、同省と港湾整備事業の事業主体との間で、協議、調整及び予防保全的管理の実施が円滑に進捗する実施体制を整備し、併せて重要な施設情報が活用できるよう緊密に連携したり、両事業の事業主体に対して、点検データ等の重要な施設情報については、適時適切に活用できるよう管理する必要があることを周知したりするよう、国土交通大臣に対して平成22年10月に、会計検査院法第36条の規定により意見を表示した。

2 当局が講じた処置

 本院は、国土交通本省において、その後の処置状況について会計実地検査を行った。
 検査の結果、国土交通省は、本院指摘の趣旨に沿い、施設の維持管理及び更新が計画的かつ効率的に実施されるよう、22年10月及び23年3月に地方整備局等に事務連絡を発して、次のような処置を講じていた。
ア 道路整備事業において、重要な施設情報の範囲を明確に示し、今後の長寿命化計画の策定等に当たっては、重要な施設情報を十分活用するよう、また、施設の移管に当たっては、重要な施設情報を確実に引き継ぐよう事業主体に対して周知した。
イ 港湾整備事業において、国と事業主体との間で、国有港湾施設の長寿命化計画に基づいた維持管理が確実に実施できるよう実施体制を整備し、併せて重要な施設情報を活用できるよう緊密に連携することとした。
ウ 上記の両事業において、施設の更新に至るまでの期間、重要な施設情報が適時適切に活用できるよう管理する必要があることを事業主体に対して周知した。