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  • 平成22年度|
  • 第3章 個別の検査結果|
  • 第1節 省庁別の検査結果|
  • 第11 国土交通省|
  • 平成21年度決算検査報告掲記の意見を表示し又は処置を要求した事項の結果

独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構の特例業務勘定における利益剰余金について


(15) 独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構の特例業務勘定における利益剰余金について

平成21年度決算検査報告参照

1 本院が表示した意見

 独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構(以下「機構」という。)は、日本国有鉄道の職員であった者等に係る共済年金追加費用等の支払等の特例業務を実施している。特例業務勘定の平成21年度末の利益剰余金は1兆4534億余円となっているが、同勘定に関しては、法律の規定により損益計算後の残余の全額を積立金として整理することとされており、国庫納付の規定はない。そして、特例業務勘定の収支は今後収入超過の傾向に転ずるなどと見込まれることから、特例業務に係る将来の収入及び支出について、物価の上昇、年金受給者の余命の伸び等による共済年金追加費用等の増大や偶発債務の発生等のリスクを相当程度見込むなどして試算したとしても、積立金として2500億円程度を留保しておけば将来の特例業務の確実かつ円滑な実施に支障を生ずることはなく、21年度末の利益剰余金はこの額よりも約1兆2000億円大きくなっていて、余裕資金が生じていると認められた。
 したがって、これまで一般会計が巨額の国鉄長期債務を承継したり、特例業務に対して多額の国庫補助金を交付したりしていることに鑑み、余裕資金の有効活用を図るため、国土交通省において、機構と共に、国庫納付が可能な資金の額を速やかに把握し、将来においても、余裕資金が生じていないか適時に検討することとするとともに、これらの資金が国庫に納付されることとなるように適切な制度を整備するよう、国土交通大臣に対して22年9月に、会計検査院法第36条の規定により意見を表示した。

2 当局が講じた処置

 本院は、国土交通本省において、その後の処置状況について会計実地検査を行った。
 検査の結果、国土交通省は、本院指摘の趣旨に沿い、次のような処置を講じていた。
ア 国庫納付が可能な資金の額を把握するとともに、23年度中に機構の特例業務勘定から1兆2000億円を国庫に納付することを定めた「東日本大震災に対処するために必要な財源の確保を図るための特別措置に関する法律」(平成23年法律第42号)が23年5月2日に公布・施行されたことを受けて、同年6月に機構の特例業務勘定から1兆円を国庫に納付させ、残りの2000億円についても、23年度中に国庫に納付させることとした。
イ 機構による北海道旅客鉄道株式会社等に対する支援措置等を定めた「日本国有鉄道清算事業団の債務等の処理に関する法律等の一部を改正する法律」(平成23年法律第66号)が同年6月15日に公布され、同年8月1日から施行されたことを受けて、特例業務勘定の利益剰余金等を活用して新たにこれらの鉄道関係施策を実施していくことから、将来の余裕資金については少なくとも20年間以上生じない見込みになっているが、将来において余裕資金が生じた場合は適切に検討することとした。