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  • 平成22年度|
  • 第3章 個別の検査結果|
  • 第1節 省庁別の検査結果|
  • 第12 環境省|
  • 不当事項|
  • 補助金|
  • 補助事業の実施及び経理が不当と認められるもの

事業主体が子会社から調達した場合に補助対象事業費から控除すべき当該子会社の利益相当額を控除していなかったため、補助対象事業費を過大に精算していたもの


(4) 補助対象事業費を過大に精算していたもの 1件 不当と認める国庫補助金 1,032,000円  事業主体が子会社から調達した場合に補助対象事業費から控除すべき当該子会社の利益相当額を控除していなかったため、補助対象事業費を過大に精算していたもの (1件 不当と認める国庫補助金 1,032,000円)

  補助事業者
(事業主体)
補助事業等 年度
事業費
(国庫補助対象事業費)
左に対する国庫補助金等交付額
不当と認める事業費
(国庫補助対象事業費)
不当と認める国庫補助金等相当額
        千円 千円 千円 千円
(385) 阪急電鉄株式会社 二酸化炭素排出抑制対策 21 65,633
(60,500)
30,250 2,063
(2,063)
1,032

 この補助事業は、阪急電鉄株式会社(以下「阪急電鉄」という。)が、平成21年度に、摂津市駅において、公共交通機関の利用促進を図るとともに、駅までの交通手段をバイク等の利用から自転車へ転換させて二酸化炭素の排出量を削減するため、二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金(総合環境政策分野[民間団体])の低炭素地域づくり面的対策推進事業により、レンタサイクル、駐輪場等の整備を行う「阪急電鉄京都線摂津市駅におけるレンタサイクル整備事業」を事業費65,633,400円(うち補助対象事業費60,500,952円、国庫補助金30,250,000円)で実施したものである。
 「二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金(総合環境政策分野[民間団体])交付要綱」(平成21年4月環境大臣通知)によると、環境大臣は、同要綱に定める事業に要する経費のうち、補助金の対象として環境大臣が認める経費について補助金を交付することとしている。
 そして、環境省は、事業主体がその子会社等から調達して補助事業を実施する場合、子会社等の利益相当額を補助対象事業費に含めることは適切ではないとしてこれを認めておらず、補助対象事業費から子会社等の利益相当額を控除することにしている。
 しかし、検査したところ、本件補助対象事業費の中には、阪急電鉄とその子会社との間の契約に係る金額が含まれており、この金額には子会社の利益相当額2,063,266円が含まれているのに、阪急電鉄は、これを補助対象事業費から控除していなかった。
 なお、同省は、上記のように補助対象事業費から子会社等の利益相当額を控除することについて、他の補助事業では公募要領においてその旨を記載していたものもあったが、本件補助事業では、補助金の主旨から当然であるとして公募要領にその旨を記載していなかった。
 したがって、子会社の利益相当額を控除して本件補助事業の適正な補助対象事業費を算定すると58,437,686円となることから、前記の補助対象事業費60,500,952円との差額2,063,266円が過大に精算されていて、これに係る国庫補助金相当額1,032,000円が不当と認められる。
 このような事態が生じていたのは、阪急電鉄において、補助金の主旨から子会社の利益相当額が補助対象事業費に該当しないとすることについての認識がなかったことにもよるが、環境省において、事業主体が子会社等から調達して補助事業を実施する場合に子会社等の利益相当額を補助対象事業費から控除することについての指導及び審査が十分でなかったことなどによると認められる。