会計名及び科目 | 一般会計 | (組織)防衛本省 | (項)武器車両等整備費 | |||
部局等 | 海上自衛隊艦船補給処 | |||||
契約名 | 給食事務管理装置の整備等に関する技術役務請負契約 | |||||
契約の概要 | 給食事務を支援するためのソフトウェアの使用方法等を示すマニュア ルである給食業務実施要領書の作成等を請け負わせて実施するもの | |||||
契約の相手方 | 株式会社エムエスコーポレーション | |||||
契約 |
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受領検査 |
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支払 |
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支払額 | 21,000,000円
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適切を欠くと認められた支払額 |
14,450,233円
(平成21年度)
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海上自衛隊艦船補給処(以下「艦補処」という。)は、艦艇の乗組員等に対して給食を実施する機関に指定されている部隊等のうち、艦艇部隊等を除く陸上の部隊等において従前から利用されてきた給食事務を支援するためのソフトウェアについて、平成20年度に艦艇部隊でも利用できるよう改修を行っている。そして、この改修に併せて、同年度に、同ソフトウェアの使用方法等を示すマニュアルである給食業務実施要領書(以下「実施要領書」という。)の作成等の役務請負契約を株式会社エムエスコーポレーションと契約金額21,000,000円で締結し、22年4月に同額を支払っている。
契約担当官等は、役務等の請負契約を締結した場合は、会計法(昭和22年法律第35号)等により、自ら又は補助者に命じて、給付の完了の確認をするために必要な検査をしなければならないこととなっている。そして、艦補処は、その職員を補助者に任命して、本件契約に係る実施要領書等の品質及び数量の確認のための受領検査を実施させている。
本院は、艦補処において、本件契約について、合規性等の観点から、実施要領書等の受領検査が適切に実施され、契約内容に適合した履行が確保されているかなどに着眼して、受領検査を実施した職員が作成した検査調書、実施要領書等を確認するなどの方法により会計実地検査を行った。
検査したところ、次のとおり適切でない事態が見受けられた。
すなわち、受領検査を実施した職員は、納入された実施要領書等の品質及び数量を確認し、それらが契約条項、仕様書等に適合しているとして検査調書を作成し、これにより艦補処は、前記のとおり21,000,000円を支払っていた。
しかし、実施要領書は、その多くのページにおいて、文字が重なっていて判読できなかったり、誤記載があったりなどしている箇所が見受けられ、適正な品質が確保されておらず、受領検査を実施した職員はこれらの状態を容易に確認できたのに、これを看過していた。
したがって、本件契約は、契約内容に適合した履行が確保されていないのに、適正に履行されたとして契約金額の全額を支払っていたもので適切ではなく、実施要領書の作成に要した費用相当額14,450,233円が不当と認められる。
このような事態が生じていたのは、艦補処において、受領検査を適切に実施するという認識が欠如していたことなどによると認められる。